ONE OK ROCK【Broken Heart of Gold】歌詞を和訳して解釈！辛すぎる時とは

「人斬り抜刀斎」と呼ばれるほどに、人を殺めることをいとわなかったかつての主人公・緋村剣心。

しかし、ある日を境に人の命を奪うことをやめ、か弱い住民の為に刀を振るうこととなります。

これまでの映画作品では、剣心が「不殺の誓い」を掲げた後の物語となっていました。

一方今回の最終章「The Beginning」で語られるのは、剣心がまだ人を切ることをためらわなかった頃のこと。

剣心を変えた出来事とは何なのか、そして失ってしまった大切な命とはなんだったのか……。

彼の頬に刻まれた十字傷の背景を読み解くだけで、何だか涙が零れてしまいそうになります。

そして「Broken Heart of Gold」は、そんな剣心とかつての最愛の妻・巴の状況を描いているかのよう……。

彼女を失って色を無くした剣心の世界がどれほど辛く、悲しいものだったのかを感じさせてくれます。

日々に希望を見い出すことができない人、悲しい出来事から立ち直れない人の胸に語りかけるような歌詞。

絶望を言葉にしていながらも、言葉の端々に、歌声の終わりに、希望が入り混じっているのです。

暗く、沈んだ様子で始まるMVの映像と、それに呼応するかのように悲痛な声を上げるボーカル・Taka。

和訳してみると、歌の最初から悲しみに暮れている様子が伝わります。

そばにいた時には気がつかなかった、大切な人の存在。

いなくなってこれほど悲しいものか、と気づいても、時が戻ってくることはありません。

最愛の人を目の前で、それも自身が巻き込む形で亡くしてしまった主人公・剣心。

このどうしようもなくいたたまれない感情が、多くの人の心を打つ理由でもあります。

誰かがいなくなってしまっても、世界は今日も変わらずに進み続けています。

しかし僕の心には、ぽっかりと穴が空いてしまったように冷たい風が吹き込むだけ。

それ以外に変わったことなどないはずなのに、足は動かず、口からは言葉が出てこないのです。

この場所に立ち続けている限り、彼女の死を受け入れることはできそうにありません。

いなくなる前の彼女の笑顔、そしてあの日の冷たい顔が、繰り返し彼の頭を締めつけていきます。

彼女を失った瞬間から、彼の目に映る空が青く澄み渡ることはなくなりました。

そしてかつての想い出を消し去るように、自分の全てを脱ぎ捨てていくのです。

既に「灰色」でありながら、わずかに残った色や光でさえも感じ取ることができなくなっていた彼の目。

他の人の目には確かに、色鮮やかな世界が映るはずです。

それでも色を感じられなくなったのは、彼に色を与えていたのが他ならない彼女だったから。

世界がどんなにあたたかいか、人がどんなに愛おしいかを教えてくれた彼女は、もういません。

自分1人の力では、「喜び」も「幸せ」も感じ取ることができない主人公。

それならばもう、彼に世界など必要ありません。

どうせ1人で生きていかなければならないのならば、もう感情を取り戻す必要はないのです。