彼を襲った苦しみは、曲のサビに詰め込まれています。
和訳するのも切なくなるような、この部分の意味を見てみましょう。
時に何もかもやめたくなる
生きていたくないほど
あまりに苦しすぎて
出典: Broken Heart of Gold/作詞:Taka・Toru ・Nick Long・Dan Lancaster・Masato Hayakawa 作曲:Taka・Toru ・Nick Long・Dan Lancaster・Masato Hayakawa
元々感情を表に出す方ではなかった彼にとって、彼女の存在はまさに「光」。
自分と外の世界を繋いでくれた唯一の架け橋です。
これまで、依頼とあらばためらいなく人を切ってきた緋村剣心。
いわば人の心を失いかけていた彼に、手を差し伸べたのが巴だったのです。
主人公は自分でも気がつかないほどに、彼女に支えてもらっていたことに気がつきます。
明るい未来を思い描こう……そんな矢先の出来事でした。
「人を切ってきた自分への罰なのだ」
そう言い聞かせようとも、もはやこの世に彼が生きる意味は残っていません。
心の中の彼女でさえも
Sometimes I just wanna say
I love myself but not today
When it feels too painful
I smash my broken heart of gold
出典: Broken Heart of Gold/作詞:Taka・Toru ・Nick Long・Dan Lancaster・Masato Hayakawa 作曲:Taka・Toru ・Nick Long・Dan Lancaster・Masato Hayakawa
苦しみの中にいる自分を助け出すために、主人公は苦渋の決断をします。
その部分の和訳がこちらです。
時に言いたくなる
今日は自分を愛せないと
あまりに苦しすぎて
傷ついたやさしい心でさえ
打ち砕いてしまうんだ
出典: Broken Heart of Gold/作詞:Taka・Toru ・Nick Long・Dan Lancaster・Masato Hayakawa 作曲:Taka・Toru ・Nick Long・Dan Lancaster・Masato Hayakawa
自分の中に残っていた「人の心」は、他でもない彼女が遺してくれた形見です。
しかし、その心があるからこそ、彼女の死をいつまでたっても忘れることができません。
予想以上の苦しみから、もはや想い出や希望と一緒に彼女の存在までも忘れ去ろうとしている主人公。
「何としてもこの苦しみから逃れたい」という想いが強すぎるのです。
もう全てなかったことにして、彼女と出会う前の自分に戻りたい……。
どれだけそう願おうとも、彼と彼女は運命を分かちあった間柄です。
考えれば考えるほどに、頭の中をやさしく、そして切なく締め上げるのです。
明るい明日はもうやってこない
叫ぶ歌詞に込めた想い
Tired soul
Dying hope
出典: Broken Heart of Gold/作詞:Taka・Toru ・Nick Long・Dan Lancaster・Masato Hayakawa 作曲:Taka・Toru ・Nick Long・Dan Lancaster・Masato Hayakawa
そっと歌った1番のサビとは異なり、2番は内から湧き上がるような叫びが印象的です。
もはや救いのない主人公に、聴き手の心が揺さぶられます。
疲れ果てた魂
消えゆく希望
出典: Broken Heart of Gold/作詞:Taka・Toru ・Nick Long・Dan Lancaster・Masato Hayakawa 作曲:Taka・Toru ・Nick Long・Dan Lancaster・Masato Hayakawa
彼女がそばにいた時は、周りの人々も自分にあたたかく接してくれていました。
人を殺めたという事実は消えませんが、それでも彼が新たな道を踏み出そうと決意していたのがわかります。
しかし、それもこれも彼女がいてくれたおかげに他なりません。
たった1人では人々の輪に入っていくことも、未来を描くこともできるはずがないのです。
そうして、だんだんと生きる力を無くしていく主人公の心。
その姿はもはや、生きるのをあきらめてしまったかのようです。
未来には絶望しか残っていない
I guess I'm running out of road
I guess I've got nowhere
出典: Broken Heart of Gold/作詞:Taka・Toru ・Nick Long・Dan Lancaster・Masato Hayakawa 作曲:Taka・Toru ・Nick Long・Dan Lancaster・Masato Hayakawa
彼女を失って周りを見ると、自分を取り囲む環境があまりに酷いものだったと気がつかされます。
目が覚めた主人公は、果たして何を思うのでしょうか。