「七色の風」のMV解説!

可愛い×可愛い=可愛すぎる

バーチャルYouTuber(VTuber)としてのデビューから着実に活動の幅を拡げてきている響木アオ

今回ご紹介する「七色の風」はアオチャリングプロジェクトの試みのひとつとして制作されました。

バーチャル・アイドルとリアル・アイドルがコラボするこのプロジェクト。

YouTuberですから、もちろん歌だけでなくMVで楽しませてくれます。

ノスタルジックな映像に隠された斬新さ

響木アオ feat. たこやきレインボー「七色の風」MVを徹底解説!アオちゃんの表情に注目しよう!の画像

単なる画像の合成というイメージが先行しがちですが、実際のMVを観て度肝を抜かれた方も多いでしょう。

テレビ番組で芸能人とキャラクター画像が同じ画面に収まることはよくあります。

静止画ではなく、キャラクターがアニメーションとして動き、キャストと会話をしているのです。

映像技術の発達とともに、それはある種当たり前の手法として視聴者に楽しさを与えています。

しかしバーチャルとリアルの融合は、やはり違和感が拭いきれません。

バラエティ番組であれば許されるかもしれませんが、ドラマならどうでしょうか。

実はバーチャルとリアルを「違和感なく」ひとつの映像に収めることは非常に難しい技術なのです。

一方で今回の「七色の風」のMVは、どこに響木アオがいるの?!と思うシーンの連続ではないでしょうか。

特に冒頭のグランドピアノを囲むシーン

響木アオの色調とたこやきレインボーの色調がぴったり一致し、映像の中に溶け込んでいます。

全体的に霞がかかったようなMVですが、目をみはる「斬新さ」が隠れているのです。

テーマは「卒業」

明確に「卒業」という言葉は出てきません。

それでも卒業がテーマなのだろうということがMVから推察できます。

学校が舞台

まずは学校を舞台にしているという点。これは映像を見ればすぐに分かります。

実は映像だけでなく音にも「学校」の要素が隠れていることにお気付きですか?

冒頭で聴こえてくるのは懐かしいリコーダーのハーモニー。そこにピアノが重なります。

リコーダーは家で吹いても単音ですが学校ならハーモニーになります。

この組み合わせは「学校」ならではですね。

別れはどこに?

口論をするシーンはあるものの、そこで喧嘩別れをするわけではありません。

その後も全員で仲良く歌を歌っています。

では別れはどこに描写されているのでしょうか。

それはラストの映像です。

ピアノを弾く響木アオとピアノを囲む5人のメンバー

優しい歌声が消えるとともに彼女たちの姿も幻のようにスーッと消えていくのです。

そして空っぽの教室にはグランドピアノだけが残ります。

もう二度と戻らない学校生活を終え、それぞれの未来に旅立っていったのでしょう。

更にもう一歩踏み込んで、映像をよく観察してみてください。

最後に残るのは誰?

徐々に消えていく6人の姿をよく観察すると、最後までシルエットがうっすら残る人物がいます。

それは響木アオです。

MV制作でここに何らかの意味を持たせたかどうかは分かりません。

単純にリアル・バーチャル映像にコントラスト差があることで生じた残像という可能性はあります。

しかし、あえて最後まで消えないようにしたとも考えられます。

皆が同じ瞬間に迎える卒業。しかし人生の卒業はどうでしょうか。皆バラバラです。

ではバーチャルの世界に住む響木アオは、いつ人生の卒業を迎えるのでしょうか。

皆が旅立っても彼女は歳を取らないまま、液晶の中で生き続けることができるのです。

いつかはひとりになる、そんな寂しさを感じます。

手話を取り入れたサビに注目

手話とダンスの融合