楽曲最後のフレーズです。ここで注目すべきは最後の1文。
これまでのストーリーでは一貫して、何かを破壊し君と別れたい主人公が描かれていました。
しかしここで主人公は君に対し、別れどころか未来に続く言葉をかけているのです。
意図的に発した言葉ではなくつい発してしまった…と綴られていることから、これが潜在的な本心だとわかりますね。
誰かに認めてもらうために破壊を望み、その機会をうかがっていた主人公。
しかしそれは結局のところ表面的なものであり、心の奥底から望んでいることではありませんでした。
さて、ここでもう1つ考えるべきは、楽曲中盤で登場した伏線です。
儚いものの美しさをわかっているのに…そこに続けて主人公が言いたかったことは何でしょうか。
きっとそれは「壊せない」ということ。
これほどまでに破壊へ肯定的な姿勢を見せておきながら、結局は実行に移すことができていません。
荒れているように見えた主人公の心がまだ、本来の美しさを失ってはいなかったということでしょう。
最後の最後に登場した救い。歪んだ主人公の心を描いただけではない、そんな歌詞世界も魅力的ですね。
最後に
何かを壊したい。何かを傷つけたい。そんな欲望を抱えていた主人公。
最初はその破壊衝動の根拠を、「物事の儚さに心奪われたから」だと思い込んでいました。
しかし実際には、「破壊することで注目を集めたい」という承認欲求が根拠だったのです。
ただ最後の最後に救いが見えたこともまた事実。主人公の心に消えることなく残っていた光が感じられました。
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