『電照菊』トリビア

『電照菊』はボーカル・ベース担当の前川真悟による作詞・作曲楽曲です。

2007年4月23日リリースのファーストアルバム『そろそろ、かりゆし』に収録されています。

電照菊
かりゆし58
living,dining,kitchen Records

また、2011年7月27日にリリースされた、かりゆし58ファーストベストアルバムかりゆし58ベスト』の中にも収録されています。

ちなみに、かりゆし58メンバーが生まれ育った沖縄南部電照菊で生計を立てている農家現在も多いようです。

晩夏から初秋の日暮れ時から菊を照らす裸電球のあかりは、ほの暗く、優しく沈黙の夜の帳(とばり)を照らし出します。

この景色を背景に、さっそくかりゆし58の『電照菊』、歌詞を見ていきましょう!

歌詞をチェック!

電照菊の光よ 夜の帳を照らしてくれないか
大切な人がいつか 夜道に迷うことなく 帰りつけるように

何もない田舎町で芽生えた アナタと僕の恋は
悲しいほど迷いがなく 痛いほど無垢だった

忍び寄る別れの時 気付かないふりでやり過ごした
アナタのその小さな手を強く強く握った

出典: http://j-lyric.net/artist/a04ca30/l00b8e4.html

「アナタ(女)」との恋の始まりを歌っています。まだ世間を知らない幼さの残る二人の恋は、年を経て大人になるにつれて変容していくのでした。

蛍の光を集めて夜道を歩くような
頼りない夢を握り締めて アナタは遠い街へと向かう

電照菊の光よ まばゆいほどに 照らしてくれないか
ただひたすら好きだった あなたの涙を決して見たくはないから

出典: https://twitter.com/kabuokabosu/status/410398099916333057

どうして別れることになったのか、もう言わずもがなですね。切ないです。「アナタ」はもう昔の幼い「アナタ」ではなく、遠い街=都会にあこがれ、田舎町での恋に終わりを告げるのです。

そう言えば、蛍の光はメスを誘うオスのシグナル。「蛍の光を集めて・・・・・・」の箇所って、新たな男の出現をなんとなく示しているような――考えすぎですかね。

『愛すること』『信じること』2人をつなぐ最後の糸が
あまりにも頼りなくて 心は揺れ続けた

冬を越えて 春が過ぎて 長い長い夏が終わる頃
アナタは少しかすれた声で 恋の終わりを告げた

出典: https://twitter.com/k58bot/status/924233362650181632

アナタが飛び立った夜を 今でも覚えてます
アナタもきっとこの光を 夜空の上から見ていたのでしょうか

電照菊の光が届かない街の夜は アナタをどんな気持ちにしますか?
今ひどくアナタの声を聴きたいよ

出典: https://twitter.com/mermaid_407/status/385820223644782592

電照菊の光よ この暗闇を照らしてくれないか
大切な人がいつか 夜道に迷うことなく 帰りつけるように

出典: https://twitter.com/issunsakini/status/918856255925493760

自分の元を去って行ってしまった「アナタ」を、思い続ける男の気持ちが語られます。男はここ(田舎町)で女を待ち続けるのでしょうか。

今、男ができることは、都会で疲れた「アナタ」が迷わず帰ってこれるように、電照菊の柔らかでほの暗い光で暗闇を照らして欲しいと願うだけなのでしょうね。

それにしても、男の未練か、度量の大きさか。いずれにしろ「アナタ」と呼ばれるこの女性は、男にとって特別に大切な人だったのですね。それを袖にして都会へ行くって・・・・・・寂しい歌です。来る者は拒まず、去る者は追わず。それがこの楽曲にひときわ寂しさを加味しているのでしょう。

ローカリズムが必ず取り上げる都会との確執

地元を愛し、地元に帰依するアーティストに共通することは、ほとんどと言っていいほど都会の生活を何となく敬遠し、嫌っている様子がうかがえること。

これはローカリズムを唱える歌手であればどんなジャンルであっても、同じような回答に帰結するものです。

地元に相対するのは都会と決まっていて、都会はネガティブなイメージでとらわれがちです。

もちろんそれが悪いとは全く思いませんが、ローカリズムに依ることができないリスナーはどうしても受け入れがたいモヤモヤが残ることとなります。

地域愛、地元愛のなせる技なのでしょうね。かりゆし58は楽曲という楽曲が全てローカリズムに依拠(いきょ)しているので、ときに世界観を狭めがちになるところがリスナーとしては気になるところです。

動画をチェック!

歌詞をじっくり味わったあとに、この『電照菊』のMVを鑑賞するとより一層、心に深く響きわたりますね。

かりゆし58『電照菊』

おわりに

強いローカリズム、それも極端なウチナー主義でそれでも10年以上もの間、愛され続けているバンドかりゆし58のこの先のビジョンは、この先もずっと沖縄からの発信を続けること。

彼らはこの先も沖縄を通じて見た世界を歌い継いでいくのでしょう。この先の彼らの活動も引き続き見つめていきたいと思うばかりです。