アニメーションスタジオMAPPA設立10周年のコラボ曲

とんがってるのにすっと心に入ってくる不思議な魅力を持つアーティスト「ずっと真夜中でいいのに。」

この「ばかじゃないのに」は、ACAねも好きなアニメーションスタジオとのコラボ作品です。

インスピレーションを受けているアニメへのオマージュともいうべき素敵な曲に仕上がっています。

MAPPAが記念すべきキービジュアルに「ずとまよ」を指名

特定の形を持たないバンドとして有名な「ずっと真夜中でいいのに。」。

作詞、作曲、ボーカルをACAねが担当しています。

凛として透明感のある歌声ですが、歌詞はどことなく孤独な影と自立した強さが感じられる彼女の曲。

今回の楽曲「ばかじゃないのに」は、アニメーションスタジオMAPPA設立10周年のコラボでした。

アニメーションのクリエイティブと、音楽のクリエイティブ。

最初のMVである「秒針を噛む」からアニメーションとは切っても切り離せない関係の「ずとまよ」。

エッジが立った曲に合わせて、アニメーションで添える世界観が今回のこのコラボにも生きています。

歌詞の「ありがとう」とMAPPAからファンへの「ありがとう」が重なる

ずっと真夜中でいいのに。【ばかじゃないのに】歌詞の意味を考察!なぜ”もう居ないのに惹かれ合う"のかの画像

MAPPAは「呪術廻戦」をはじめ有名なアニメを手掛けているスタジオです。

ACAねもよく見ていて、コラボの話が来たときに喜んで引き受けたとのこと。

MAPPA制作作品の主人公が大集合する夢のようなキービジュアルのBGMになっています。

作品の主人公たちが、アニメの中で涙を流したり、キスしたりと感情が動くシーンが映し出されます。

失恋がテーマの「ばかじゃないのに」の感傷が、キービジュアルの切ない雰囲気を加速するのです。

曲の歌詞「ありがとう」にかぶせて、キャラクターたちが10年間の「ありがとう」を伝える場面は必見。

MAPPAのファンへの感謝の気持ちが伝わってきて、ぐっときます。

曲のMVは大きなハサミで失恋の暗さを表現

曲のMVはパープルと黒でポップなアニメの世界が表現されています。

全体を通して見る人の心に迫ってくる大きなハサミ。

疾走感のある曲とアニメーションが、強く胸をゆさぶります。

楽曲のMVはポップさの中に暗さと疾走感があるアニメで表現

先ほどのMAPPAの10th Anniversary Movieとは打って変わったビジュアルのMVです。

主人公のキャラクターは今っぽいのに、ジャギっている感じの背景がどことなくレトロ

昔懐かしいゲームやガラケーの画面も、この曲の暗い世界観をうまく映し出しています。

パープルと黒の世界に、主人公の暗さや迷い、悩みが投影されているようです。

それでは早速歌詞の内容を見てみましょう。

最後に恋愛に終止符を打ったのは自分自身だった

大きな断ちばさみやナイフ。

相手との関係をすぱっと断ち切るモチーフが巨大に映し出されて怖さがあります。

行き止まりや駐車禁止を表すような、行き詰まり感のある交通看板も乱立しています。

好きだから別れたくない。

別れない方法を探したいと思っている雰囲気も感じられる主人公の表情です。

でも、なんとか一緒にいたいと思っても大きな裁ちばさみが彼との赤い糸を切りに追いかけてくる。

逃げ切りたいと必死に抵抗し、必死に走る主人公ですが…。

最後に彼との赤い糸を切ったのは、ほかでもないハサミを持った自分自身だったという見事なオチです。

それでは早速歌詞の内容を見てみましょう。

おしゃれじゃない部屋の様子が感じられる歌詞の巧みさ

これは 二十歳じゃない
作業着 剥ぎ取っても
まだ お線香の匂い 床に寝そべってた
一丁前に回り回る 扇風機に嘆いてた
ふと 会えない人を 思い浮かべてた

出典: ばかじゃないのに/作詞:ACAね 作曲:ACAね

「まだ二十歳じゃない」でも、「もう二十歳じゃない」でもない、とらえどころのない出だし。

この二十という数字は、現在10周年でこれから20周年を目指すMAPPAにもかかっています。

作業着という汗臭さを感じる言葉が続きます。

剥ぎ取る」という言葉には、無造作に脱ぎ捨てるイメージがありますね。

「線香」は蚊取り線香のことでしょうか。「回り回る」扇風機の、ただ回っている感

どの感じも、エアコンの効いた整った室内というより、汗臭く地味な暗い部屋を想像させます。

そんな中で、別れた相手のことを考えている主人公に、強烈な孤独を感じます。