「ポラリスの涙」とは

音速ラインの「ポラリスの涙」について

「ポラリスの涙」は2008年にリリースされた音速ラインの11枚目のシングルです。

オリコン・ウィークリー・チャートでは、音速ラインにとって最高位である19を記録しました。

発売前には、40秒程度のPV10種類も配信したことで注目を浴びていたこともあったのでしょう。

当時活躍していた俳優やタレントが出演しました。

さまざまなシチュエーションで涙する人々が描かれたそれらのPVは話題となっています。

「ポラリスの涙」はどんな涙?

世の中には、いろいろな涙のカタチがあります。

うれし涙、くやし涙、いつわりの涙…。

では、タイトルの「ポラリスの涙」とはどんな涙でしょうか?

「ポラリス(Polaris)」は、ラテン語で「極み」を意味する言葉です。

北に位置する北極星も、「ポラリス」と呼ばれます。

有名な単語なので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

「極み」は、良くも悪くもギリギリの状態、極限に近い状態をいいます。

「喜びの極み」「悲しみの極み」など、感情を表現するときにも使われますね。

これを踏まえると、何かしらの想い感情が極まって流す涙のことを表現しているのではないでしょうか。

この曲には、涙を流さずにはいられない「僕」と、彼が想いつづけた「君」のストーリーを描かれています。

歌詞を読み解くことで、彼らのストーリーを見ていきましょう。

ストーリーのはじまり

すれ違いはじめた2人

抑えきれない胸が痛む
抱えきれない夢の果てに
君が今 踏み出した世界は

出典: ポラリスの涙/作詞:藤井敬之 作曲:藤井敬之

このストーリーの登場人物は主人公の「僕」と彼の好きな人である「君」です。

2人には互いに何か夢を持っていたのでしょうか。

しかしながら、2人の関係はそう長く続きません。

「君」は夢を追うことをやめてしまったのでしょうか。

そんな彼女の姿に「僕」は悲しくなったようです。

ずっと一緒に夢を追いかけてきたのですから無理もありません。

そして、彼女はある世界へと旅立ってしまいます。

「君」が向かった世界

彼女が踏み出した先は、大人の世界でした。

夢を見ることができたこれまでの世界とは違い、大人の世界で見ることができるのは現実です。

瞬きのたびに色を変えて
またひとつ君は大人になるけど
いつだって 解ってる僕なりに

出典: ポラリスの涙/作詞:藤井敬之 作曲:藤井敬之

瞬きのたびに大人になっていく「君」を見て、「僕」はどんな気持ちだったでしょうか。

たった1秒もしないほど、現実に目を向けた彼女が大人になっていくスピードは速かったのかもしれません。

さらに、彼女が大人になっていく様は、「色」という視覚的特徴にも現れています。

歌詞からすると、彼女は着実に大人の色に近づいていったのでしょう。

はじめは純真無垢な白だったかもしれません。

しかし瞬きのたびにその色は濃くなっていき、彼女が大人になっていく。

その様が目に見えて分かったのではないでしょうか。

大人の世界に踏み出した彼女を見て、彼は葛藤したことでしょう。

そんな彼の様子が3行目の歌詞に表れています。

彼女だって、夢をあきらめたくなかったかもしれません。

しかしながら、現実を見なければいけない状況だったのです。

一方で、主人公はまだ大人の世界へと踏み出せずにいました。

「僕」がいる世界

「君」への想い