「絶体絶命」に収録
2011年3月リリース
学芸会は2011年3月9日に発売された「絶体絶命」に収録されています。
収録曲にはシングルの中で最高初動売上を記録した“DADA”。
2011年度のNHKのサッカー中継のテーマソングに起用された“君と羊と青”。
“狭心症”や“携帯電話”など、RADを象徴する独特な世界観を堪能できるアルバムになっています。
アルバムのタイトルには諸説あります。
一つは収録曲14曲のラインナップを見渡して「振り切った強い言葉を」という想いからつけられたこと。
もう一つは、「糸色(いとしき)体(からだ)糸色(いとしき)命(いのち)」という意味があること。
発売2日後の3月11日に起こった東日本大震災。そこで義援金を募る特設サイトは「糸色-Itoshiki-」と名付けられています。
自分の存在や命ってなんだろう?ということを野田洋次郎さんの詞世界から感じることのできるアルバムです。
学芸会
そもそも学芸会って?
あなたの通っていた学校の行事に「学芸会」ってありましたか?
学芸会の扱いは地域と学校によって差があり、それ自体行わない地域も多いようです。
行事としてはやってきていないという人も、字面からなんとなくイメージできるかもしれませんね。
一般的には小学校教育の一環として行われるもので、演目としては学習成果や演劇の発表会が多いそう。
今は学習発表会と呼ばれるのが一般的で、音楽発表会、作品展など1年ごとに開催するところもあるようですよ。
ここでの学芸会は?
歌詞中に「舞台」「脇役の少年D」とあるので、学芸会で「僕」のいるクラスが発表するのは演劇なのでしょう。
楽曲中には「僕」とその僕を客観的に見る「もうひとりの僕」、先生、それにクラスメイトが登場します。
野田洋次郎さんは学芸会を通してどんなメッセージを投げかけるのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
中毒性のある曲調に注目!
まずは音源から
ラッドです
残念なことにMVがないので、せめて音源だけでも聴いてみてください。
RADは歌詞も特徴的ですが、この楽曲は音も独特な世界観をもっています。
ガチャガチャしたバックミュージックや間奏での音のランダムさからは矛盾ともどかしさ、現実との葛藤を。
急き立てるようなテンポ、間髪を入れず続くメロディーは切迫感を演出しているようです。
歌詞を紐解いていきましょう
自我の目覚め
寄ってらっしゃい
来てらっしゃい
待ちに待った今日は学芸会
みんな切磋琢磨して 力合わせて
作り上げてきた一大舞台
ちょっと待って そうだっけ?
なぜにここに俺はいるんだっけ
さぁさぁ列になって 胸を張って
幕が降ろされた
出典: 学芸会/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
今日は学芸会の当日。いよいよ自分達の出番だ!という場面から物語はスタートします。
学芸会は運動会に並ぶ一大イベント!学校はお祭りのようなにぎわいをみせています。
けれど、周りにとってそんな大事なときに「僕」には突如自我が芽生えたようです。
「なんでここにいるんだっけ?」
それまで何の疑いもなく受け入れられていたものが、突然何かのきっかけで全く受けつけなくなる。
そんな経験ありますか?
周りの人たちが当たり前にしているものを、「右へ倣え」で同じように自分も受け入れる。
集団行動をよしとしてきた日本の学校教育の中で、私たちは自然とそれを教えられてきました。
みんなで力を合わせて成功させよう!って…僕もそれをしたいんだっけ?
現実に疑問を抱いた「僕」の心の声をよそに、演目は進んでいきます。
与えられた役名は
変哲もないただの「少年D」
望んでなどいないのに
群れの中に 舞台上に
上げられたはいいけど
脇役を任された少年D
先生 僕は僕の世界では
誰が何と言おうと主人公です
出典: 学芸会/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎