今を見つめ、未来へ向かう
今を噛み締めて
空は青く 雲は白いよ
優しい砂時計[sandglass]
掴めないと わかっていても
手を伸ばしてみる
今のすべて 祈るように
大切にしたい
歌いながら 笑いながら
かみしめる
出典: 切ないSandglass/作詞:中村航 作曲:上松範康(Elements Garden)
ここで主人公は、空を手を伸ばしても掴めないものと表現しています。
これは砂時計と関連している表現であると考えられるでしょう。
つまり時間というものも、どれだけ止めようとしても止められない。
空もそれと同じで掴もうと思っても掴めないものです。
そこに関連性を見いだすことができます。
しかしできないと分かっていても手を伸ばすこと。
それはそれに対する憧れや強い願望が募っている時に行われる動作だといえるでしょう。
主人公は何かそうしたくなるほど強く願っているものがあるということです。
その中身は5行目からの歌詞に込められているのではないでしょうか。
彼女は今という時間がいつか過去になっていくことを分かっています。
だからこそその時間を目一杯楽しみたいと考えているのでしょう。
心を1つにして
そうだ
キミと一緒に
みんな一緒に
空に手をかざそうよ
ああ 未来は
広げた手のひら
溢れてしまうほど
まぶしい!
出典: 切ないSandglass/作詞:中村航 作曲:上松範康(Elements Garden)
主人公にとって大切な存在である「キミ」。
そんな存在と一緒に過ごす時間は、かけがえのないものです。
ここで分かるのは、空というものが未来を表しているということ。
前述のパートで「空は掴めない」といっていたのは、将来の夢のことを指していたのかもしれません。
夢というのは叶うかどうか分からないけれど、それでも叶えたいと願う気持ち。
そういった気持ちが表されているのでしょう。
そして、このパートではそんな夢に向かって仲間たちと心を1つにして向かっていこうとする姿が描かれています。
主人公は今まで、時間が過ぎていくことの切なさについてしきりに語っていました。
しかしここでは、現在が過去になっていくことよりも、その先の未来について言及しています。
そして、特に未来に存在する希望に対して、目を向けているようです。
未来という様々な可能性のあるものに対して、仲間たちと進んでいこうとしています。
主人公が手に掴みたいのは、仲間たちと過ごした日々の先にある夢の実現なのでしょう。
青春の夢を叶えるために
青春の切なさ
零れ落ちてしまうだけの青春は
背伸びをして 追いかける
かけがえないこの季節
切なくて...
出典: 切ないSandglass/作詞:中村航 作曲:上松範康(Elements Garden)
青春の日々を今まさに過ごしている主人公たち。
そして、そのまばゆい季節は止めることもできずいつか過ぎ去ってしまいます。
2行目「背伸び」という言葉から伝わってくるのは、まだ能力不足な彼女たちの姿。
それでも青春という2度とは戻ってこない時間の尊さが彼女たちを後押ししているのでしょう。
止められない時の流れに切なさを感じながらも、今という時間を懸命に生きる。
そんな彼女たちの姿が伝わってきます。
後悔しないように
春の夢を 夏の空を
まばゆい日々を――
秋の恋を 冬の道を
あるいてる――
零れ落ちてしまうだけの青春は
輝いてる キラキラと
煌めいてる いつまでも
切なくて――
出典: 切ないSandglass/作詞:中村航 作曲:上松範康(Elements Garden)
1〜4行目で描かれているのは、そんな青春の日々の風景の数々です。
四季によって様々な思い出に彩られている青春。
今過ごしている時間のかけがえのなさを実感しているのかもしれません。
この楽曲で主人公は青春という一生に1度の時間を、砂時計の砂に例えました。
砂時計はじっと見ていると、あっという間に砂が落ちきってしまいます。
青春というのも過ごしている間にはそれに夢中であっという間に過ぎ去っていく。
そして振り返った時に初めて、その日々がかけがえのない時間であったことを知るのです。
主人公はそんな青春の輝かしい時間を、その日々の中に居ながらにして気付いているのでしょう。
その日々が今後の人生では2度とやってこない時間であると。
だからこそ今の瞬間瞬間を噛み締め、生きていこうとしているのでしょう。
振り返った時、切なさを感じながらもその日々が輝かしいものであるように。
後悔のないように今を過ごそうという気持ちが表れているのを感じられます。
そして主人公の気持ちは今だけに留まっている訳ではありません。
その先にある未来にも、しっかりと目を向けているのです。
将来の夢を手にするために、今という時間を大切に生きる。
そんな気持ちも歌詞からは伝わってきました。
楽しい日々が過ぎていく切なさと、未来への展望。
その2つの気持ちが「切ないSandglass」の歌詞からは伝わってきました。