「元気が出る曲」の定番

ロックの王道サウンド

【HOUND DOG/ff(フォルティシモ )】歌詞解釈!愛がすべてさ!と言い切る強さが胸を打つ!!の画像

HOUND DOGの10thシングル「ff(フォルティシモ)」

1985年にリリースされたこの曲は、HOUND DOGを一躍トップアーティストに押し上げました。

高らかに響くイントロのシンセブラスは、ヴァン・ヘイレンの「JUMP」を彷彿とさせるアレンジ。

まさしく、音楽の演奏記号である「フォルティシモ(最も強く)」そのものです。

HOUND DOGを代表するのはもちろん、世代を超えて親しまれているこの曲。

「元気が出る曲」の定番に挙げられる、パワフルなロックナンバーとして知られています。

イントロから拳を突き上げたくなるようなサウンドは、まさにロックの王道を感じさせるもの。

Aメロ、Bメロ、サビと進むにつれて盛り上がる、堂々としたメロディー。

ストレートな歌詞に込められた熱いメッセージも、聴く人の心を高揚させます。

そして、何よりも心に響くのは、大友康平の個性的なロックボーカル。

バラードを歌わせても一流の資質を持ち合わせています。

たくましさの中に、温かさを感じさせる歌い回しが「元気」を与えてくれるのです。

ほとばしる情熱

夢をあきらめるな

おまえの涙も
俺を止められない
いまさら失う
ものなど何も無い

言葉にならない
熱い胸のたぎり
拳を固めろ
叩きのめされても

激しくたかぶる
夢をあきらめるな
あふれる思いを
あきらめはしない

出典: ff(フォルティシモ)/作詞: 松尾由記夫 作曲:蓑輪単志

「夢をあきらめるな」という熱いメッセージが込められた歌詞

しかし、大友康平が書いた当初の歌詞は、全く違ったものだったといいます。

本人によると、その内容は別れた女性にもう一度アタックするというストーリー。

シングル化に当たり、事務所が求めたのは、さらに強いインパクトの歌詞でした。

売れっ子作詞家の松尾由記夫の手で、改めて書き上げられた曲が「ff(フォルティシモ)」。

Aメロ、Bメロでは、夢をあきらめられない「俺」の衝動がつづられています。

それは、愛する女性の涙でさえも止められないほどの強さ。

追いかける夢と引き換えに、大切に育んできた愛さえも振り払う。

そんな切なさ、痛みも感じ取れる歌詞です。

消えていなかった思い

遠くに離れて
いてもわかりあえる
わずかなぬくもり
わかちあったように

おまえの涙を
ふりかえりはしない
すべての祈りが
かなえられるまで

出典: ff(フォルティシモ)/作詞:松尾由記夫 作曲:蓑輪単志

2番へと移った歌詞は、新たなストーリーを展開します。

離れ離れになった2人。

夢をかなえようと決めた「俺」は、どこか遠くに旅立ってしまったのでしょう。

一方、「わかりあえる」という現在形の言葉から、愛する女性を思う気持ちは消えていないことも分かります。

彼女が流した涙を、決して振り返ったりはしない。

しかし、それは夢をかなえるまでのこと。

つまり、彼女への愛は消えていない、という含みを持つ歌詞です。

愛する人のために

もう1つのメッセージ

愛がすべてさ
いまこそ誓うよ
愛をこめて
強く強く

出典: ff(フォルティシモ)/作詞:松尾由記夫 作曲:蓑輪単志

そして、サビの歌詞には、有名な「愛がすべてさ」というフレーズが。

夢をかなえようと奮い立つ目的、原動力。

歌詞に書かれているのは、地位のためでも名声のためでもありません。

愛する人への強い思いだったのです。

まさに、ロックで歌うにふさわしい骨太なラブソング

例えば、進学や就職。

サラリーマンにとっては、家族を残しての単身赴任も当てはまるでしょう。

夢をかなえるため、愛する人と離れ離れにならざるを得ない局面は、身近なところにあるものです。

この曲に込められているのは、「夢をあきらめるな」というメッセージだけではありません。

もう1つの大切なメッセージ。

それは「愛がすべてさ」という、簡潔にして要を得た言葉に凝縮されています。

夢をかなえるために必要なのは愛。

愛を貫くために必要なのは夢。

すべては愛する人のため。

「愛がすべてさ」と言い切る強さは、そんな大切なことを教えてくれるのです。

誰もが秘めている強さ