V6【over】
楽曲について
V6の「over/EASY SHOW TIME」は1998年11月11日にリリースされた11枚目の両A面シングルです。
規格は、当時はまだめずらしくなかった(むしろ主流であった)8cmCDシングルでした。
初動売り上げのみで、前作である【翼になれ】の累計売上を超えるほどの人気曲。
オリコンチャート週刊1位を獲得したり等、まさにV6の名曲の1つともいえる楽曲です。
【over】は作詞を20th Century(トニセン)の3人が担当したことでも話題になりました。
サビの振り付けもトニセンメンバーが提案し採用されたそうです。
坂本昌行さん、井ノ原快彦さんのソロパートは必聴してほしい部分になっています。
【EASY SHOW TIME】はV6のレギュラー番組「学校へ行こう!」のテーマソングです。
番組を観ていた人には聴きなじみのある楽曲でしょう。
ドラマ主題歌に起用
【over】は1998年にTBS系で放送されたドラマ「PU-PU-PU-」の主題歌となりました。
「PU-PU-PU-」の“PU-”は“プー(フリーター)”を意味しています。
18歳の3人のプーが、友情や恋愛、家族との絆を深めながらやりたいことを見つけていくという話。
性格も育ちも全く異なる3人が繰り広げていくヒューマンストーリーです。
このドラマの主演を務めたのが、岡田准一さん、三宅健さん、森田剛さんの3人。
V6の年下組であるComing Centuryのメンバーです。
なんと3人ともこの作品がドラマ初主演となりました。
今では多方面で活躍している3人の、まだ初々しい演技が見られる貴重な作品になっています。
2010年にDVD化されているので気になる方は必見です。
迷いのある日々
自信が持てない
「僕は僕でやってみるよ」
言った自分に自信がなくて
また今日もごまかして
人混みに紛れてみる
出典: over/作詞:20th Century 作曲:菊池一仁
何となく「人には頼りたくない」というような気持ちが表れている歌い出しになっています。
「僕のことは気にしないでくれていいから」と周りから一歩距離を置いているようにみえるでしょう。
この曲の主人公である「僕」はドラマ同様、まさに“自立”をしようとしているところではないでしょうか。
自立するためには周りに頼らずに何でも自分でやり切ることが大切だと思っているようです。
いつも誰かに甘えてばかりいたのでしょう。
このままでは自分で何も出来ない人間になってしまうと思ったのです。
しかし、急に何でも自分1人で出来るようになれるわけではありませんでした。
「これでいいのだろうか?」と自分のやった事に自信が持てないでいます。
自信がないと何となく恥ずかしくて人前にはなかなか出ていけないもの。
人の影に隠れながら今日をやり過ごしている様子が読み取れるでしょう。
格好付けの自分を脱ぐ
平凡とか 地道だとか
なんか ちょっとカッコ悪くて
プライドや 意地を捨てた
自分を探してた
出典: over/作詞:20th Century 作曲:菊池一仁
1行目の歌詞から何となく“すかしている”様子が読み取れるでしょう。
ダルそうにしている自分が格好良いと思っているときがあったのかもしれません。
何事にも全力にならず、頑張っている姿を見せることが嫌いでした。
しかし大人になるにつれ、そんなつまらない意地で立ち止まる自分が情けなくなったのでしょう。
格好良いと思って演じていた自分が実はすごく“格好悪い”ことに気付いたのです。
だからといって人間すぐに変わるわけではありません。
いままで通りに過ごすわけにはいかないということは分かっています。
でもどうすれば自分は変われるのか、自分がどうなりたいのか明確になっていないのでしょう。
人生の迷走期に入っているような状態が窺えます。
不器用でもいい
器用には生きてく術もなくて 愛に傷ついたりもした
現実はツライ でもがむしゃらに 叫び続けていたい
WOw
出典: over/作詞:20th Century 作曲:菊池一仁
ここでいう“器用”とは、何でも思い描いた通りに事を運ぶことが出来るということでしょう。
「僕」はまだまだそんなに上手くは立ち回れません。
恋愛においても意図せずに相手を傷付けてしまうこともあります。
上手く気持ちを伝えられずに振られてしまうこともあるでしょう。
色々なことが思ったようには進まず、厳しい現実を目の当たりにしている状態が読み取れます。
しかし、すぐに諦めてしまうような自分には戻りたくありません。
例え上手くいかないとしても、何事も全力でぶつかった方が一味も二味も感じ方が変わります。
頑張った先に見える世界に、結果だけが全てではないということが分かってきました。
少しずつ考え方が変わってきたことで、自分に自信を取り戻していくのでしょう。