楽曲について
LONGMANの楽曲『Peplay』。
メロディアスな楽曲と今を心に残し続けていく等身大の想いが描かれたリリックが魅力的です。
そしてテレビ東京木ドラ2【ゆるキャン△】の主題歌にも起用されています。
2020年1月24日にYouTubeに公開されたMVは2020年7月時点で57万回再生を突破。
普段は疾走感のあるメロコア系の楽曲で人々を虜にしてきたLONGMAN。
今回は打って変わって優しさと切なさを織り交ぜたバラード調と新たな1面を感じられます。
そんなエモーショナルな楽曲の歌詞について1つ1つ紐解いていきましょう!
これまでの後悔と自己嫌悪
憂う夜
形のないものを取りに行くような日々の中
僕は今日もまた
何もできずに夜をむかえた
出典: Replay/作詞:HIROYA HIRAI 作曲:HIROYA HIRAI,YUKI HORIKAWA
青年期の「何者かにならなければいけない」というモラトリアムが謳われています。
行く先が明確な訳でも、何かそこに方法がある訳でも無いのです。
それなのに心にある焦燥感だけが先行して、常に憂いと不安が入り混じる日々。
そこには他者比較から生まれるネガティブ感情や自分の過去を見つめた末の嫌悪感もあるのです。
そういう未来に繋げられなかった1つ1つの夜をいつか見返してやりたいと思っています。
しかしながら、人間という生き物はすぐには変化することが出来ません。
自分の中で日に日に大きくなる憂鬱を感じながら、また昨日と同じ道を辿るのです。
拭えない焦燥感
時計の針はいつもにも増して早く動いている
気がして僕は
心だけ無駄に焦ってた
出典: Replay/作詞:HIROYA HIRAI 作曲:HIROYA HIRAI,YUKI HORIKAWA
現代に蔓延る集団心理や他者比較はどこまでも醜く、私たちを苦しめます。
「何かしないといけない」という漠然とした想いだけが飽和する。
だからといって今すぐ行動に移すことが出来るわけでもない自分の姿。
回りを羨望する想いと、何もできない自分への嫌悪感に苛まれているのです。
人類にとって唯一平等に与えられているのは「時間」。
それをどのように使っていくかは各々の意思と意識の差なのです。
同じ条件で、同じ土俵の上で勝負をしているからこそ、余計に劣等感に悩まされていくのでしょう。
消えない過去
例えば未来が分かれば
僕はもう後悔しないのかな
強がって笑って見せた心の中
出典: Replay/作詞:HIROYA HIRAI 作曲:HIROYA HIRAI,YUKI HORIKAWA
自分の心に常に在り続ける「不安」や「後悔」。
仮にまだ知らない未来の姿を見たところで、これまでの過去の悔やみは消えないのです。
それでもどこか自分に負けたくないというプライドから表出される作り笑い。
それは他の誰を騙そうとするでもなく、自分自身を騙そうとしているにすぎません。
環境がめまぐるしく変化していく青年期において心の煩悩は消えるどころか、増していくばかりです。
あの日を想い返す
Goodbye もう戻らない日々よ
Goodbye どうか忘れないでいて
出典: Replay/作詞:HIROYA HIRAI 作曲:HIROYA HIRAI,YUKI HORIKAWA
壮大なメロディーと共に歌詞の1つ1つを噛みしめながら歌い上げるサビのフレーズ。
2度と現れることの無い過去に対して熱い想いをひたすらに謳っています。
いつかは忘れてしまうかもしれないけれど、いつまでも願い続ける姿。
そこにある過去は決して喜怒哀楽の喜と楽の感情だけではないのでしょう。
壊れそうなほどに痛みつけられた日々も、逃げ出してしまいそうなほどに苦しかった日々もある。
しかし、時が経って戻れなくなった今、その経験すらもどこか愛おしいとすら感じてしまう。
ここのフレーズを聴くだけで、私たち聴き手自身の過去の思い出がフラッシュバックしてきます。
タイアップ先である「ゆるキャン△」の世界観とも合致しており、心揺さぶ差れる歌詞です。