デビュー30周年目前。注目されるX JAPAN・Toshl
1989年のデビュー以来、X JAPANは日本、そして世界の音楽シーンに大きな影響を与えてきました。
一人が欠けてもX JAPANが成り立たないのは言うまでもありません。
しかし、最も重要と言えるメンバーは、幼稚園からの友人であるYOSHIKIとToshlでしょう。
2019年には、X JAPANの結成から30年を迎えます。そして前年である2018年、X JAPANが大きな注目を集めています。
「紅」のカバーが話題に
2018年は、X JAPANが身近に感じられるようになった年と言えるのではないでしょうか。
YOSHIKIとToshlは、テレビ番組「芸能人格付けチェック」に出演し、大物芸能人としての格を証明しました。
また、テレビCMで女優・高畑充希がX JAPANの「紅」を披露し、楽曲にも最注目が集まっています。
秋にはビジュアル系バンド・ぞんびが、同じく「紅」をカバーし、MVをホラー色に仕上げました。
バラエティに出演し、楽曲もカバーされるX JAPAN。しかし、本人たちの音楽活動も忘れてはなりません!
X JAPANの30周年を目前に控え、11月28日、Toshlが初のカバーアルバムをリリースするんです。
タイトルは「IM A SINGER」という、率直でToshlらしいものとなりました。
ミュージシャンにとってのカバー曲とは
ライト層の音楽ファンにとっては、カバー曲は「知っている曲を別のバージョンで聴けて面白い」という認識でしょう。
ですが、ミュージシャンにとっては、他人の曲をカバーするということは、非常に重い責任を伴う行為です。
なぜなら、原曲のイメージを損なわないようにしながら、新たに曲を作り直さなければならないためですね。
素人がカラオケで歌うのとはわけが違います。その人のバックグラウンド、曲のメッセージなど全て理解しなければなりません。
先ほど述べましたが、Toshlがカバーアルバムを発表するのは、約30年の経歴の中で初めてのことです。
人としてもミュージシャンとしても熟練したToshlだからこそ、カバーアルバムを手掛ける資格を得たと言えます。
「IM A SINGER」の曲目は?
ここで、2018年11月28日に発売されるToshlのカバーアルバム「IM A SINGER」の曲目を紹介します。
ただし、曲順は変更される可能性があることをご了承ください。
ひこうき雲
赤いスイートピー
I LOVE YOU
糸
Everything
チキンライス
道
幸せのちから
手紙 ~拝啓 十五の君へ
365日の紙飛行機
出典: IM A SINGER/Toshl
なお、このほかにも10曲が収録予定ですが、具体的なタイトルは発表されていません。
今回は、これら10曲を全曲レビューしていきます。
懐かしさと新鮮さが感じられる20世紀の楽曲
「IM A SINGER」に収録予定の10曲は、前半が20世紀、後半が21世紀の曲です。
繰り返しますが、曲順は未定ですので、この通りに収録されるとは限りません。
まずはToshlが歌う20世紀の5曲をレビューしていきます。
ひこうき雲
1973年リリース、荒井由実(松任谷由実)の「ひこうき雲」です。
最近で言えば、スタジオジブリの映画「風立ちぬ」のテーマ曲にもなりましたね。
注目に値するのは、Toshlは原曲のキーを変えずに中性的なハスキーボイスで歌い上げていることです。
女性シンガーとしてはキーが低めの荒井由実ですが、やはり男性がそのまま歌うのは難しいもの。
ですが、Toshlが歌うことで、原曲の世界観はそのままに、よりダイナミックで力強い仕上がりとなりました。
赤いスイートピー
続いて、1982年に松田聖子が歌った「赤いスイートピー」です。
なお、「赤いスイートピー」の作詞者・呉田軽穂は、荒井由実のペンネームです。
Toshlが「赤いスイートピー」を歌うことで、前半は優しく包み込むような曲調となっています。
ですが、「I will follow you」で始まる後半になると、その決意を示すように、力強い歌唱力が披露されました!