ToshI【IM A SINGER】カバーアルバム全曲レビュー!Toshlの歌が君の人生に寄り添う…の画像

I LOVE YOU

知らない人はいない、尾崎豊の「I LOVE YOU」1983年リリースです。

女性が歌っていた前2曲と違い、こちらは男性アーティストの曲ですね。Toshlはどうカバーするのでしょうか?

尾崎豊といえば、やはり「居場所を見つけられない若者」の象徴で、楽曲にもそれが表れていました。

経験を積んだToshlが「I LOVE YOU」を歌うことで、若者の怒りはマイルドになり、より優しくなった印象です。

その一方、時折見せる力強さからは、尾崎豊へのリスペクトも感じられますね。

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1998年に中島みゆきが発表した「糸」、Toshlのカバーでどのように変化したでしょう。

「ひこうき雲」と同じく、Toshlは原曲のキーで「糸」を歌っています。

そして、静かな中島みゆきの原曲に比べると、Toshlの「糸」では生命への意思がより強く感じられます。

「糸」は、別々の人生を歩んできた二人が出会い、新たな糸を紡ぐ物語です。

静かな人生、激動の人生……歌い方によってまったく別の物語になるように思います。

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Everything

MISIAが2000年にリリースしたEverything」。なお、2000年は20世紀です。

MISIA1998年のデビュー直後から歌唱力が話題で、「Everything」は200万枚以上の売り上げとなりました。

歌唱力を余すことなく発揮したMISIAと比較して、Toshlの歌い方にはメリハリがあると感じます。

力強く愛を歌うMISIAに対し、囁きかけるように愛を語るToshl……と表現できるでしょうか。

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改めて聴きたい、21世紀の楽曲

続く5曲は、いずれも21世紀に発表されたものです。

最近の曲もありますが、Toshlがカバーしたことで新鮮に感じられるものですね。

チキンライス

「チキンライス」という曲を知っていますか?発売は2004年です。

実は、ダウンタウンの浜田雅功と槇原敬之がコラボし、松本人志が作詞した曲なんですね。

ダウンタウンらしい笑える曲……ではありません。幼い頃のクリスマスを描いた内容です。

Toshlの澄み切った歌声が、より一層クリスマスらしい雰囲気を演出しました。

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EXILEの2007年の曲、「道」

文字通り、当時の新生EXILEが進むべき「道」を描いた楽曲です。

ATSUSHIとToshlは比較的キーが近いですが、それぞれが歌う「道」の曲調は異なります。

やはり、EXILEの原曲には、これから彼らが進む道を見据えた、力強い決意が感じられます。

Toshlの「道」はよりアコースティックで、晴れた日の秋の並木道のようなイメージになりました。

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幸せのちから

次は、2008年に和田アキ子が歌った「幸せのちから」です。

これは筆者の感想ですが、「IM A SINGER」の中で一番X JAPANらしい曲だと思いました。

路地裏のおしゃれなバーでシンガーが歌っている……和田アキ子の原曲はそのようなイメージです。

一方で、Toshlの「幸せのちから」には空へと舞い上がっていくようなエネルギーが感じられますね。