おいしくるメロンパン「色水」とは?
「色水」は、おいしくるメロンパンの2016年12月7日に発売されたインディーズデビューミニアルバム「thirsty」に収録されている楽曲です。
おいしくるメロンパンは2015年9月に活動を開始、わずか一年でロッキング・オンが主催するアマチュア・アーティスト・コンテストRO69JACK 2016で優勝し、ROCK IN JAPAN FESTIVAL2016の初日、BUZZ STAGEに立った今大注目のバンドです。
タイトル「色水」の意味は?
「色水」と聞いて皆さんは何を連想しますか?
絵の具の色に染まった水だったり、花を摘んできて色を出した水だったり、幼い頃に遊んだ記憶が蘇ってくるかもしれませんね。
とても綺麗な色なのに、飲むことができない「色水」。
しかし、この楽曲に出てくるのは、絵の具の色でも花の色でもない、「色水」です。
歌詞を解釈して行くと、それが何なのか、そして、なぜそれを「色水」と呼んだのかがわかって行くので、まずは歌詞の意味を見ていきましょう。
おいしくるメロンパン「色水」の歌詞を解釈!
ここからはおいしくるメロンパンの「色水」の歌詞を解釈していきます。
タイトルの意味を考えるとともに、切ない恋を描いた歌詞の世界をお楽しみください。
「色水になってく甘い甘いそれ」って何?
色水になってく 甘い甘いそれは
君と僕の手の温度で 思い出を彩ってく
寂しくはないけど ちょっと切なくて
流し込んだ空の味
出典: https://www.youtube.com/watch?v=RXKsBPv9BMk
「色水になってく 甘い甘いそれは」という歌い出しが印象的ですね。
「君と僕の手の温度で」という歌詞から、溶け出して「色水」になるものだとわかります。
そして、色は「流し込んだ空の味」というところから、空のような水色の「色水」が想像できますね。
何も知らない少年と少女だった青春時代を空色の思い出で染めた「色水」は、「僕」にとっては思い出すと「寂しくはないけど ちょっと切なく」なるもののようですね。
少しずつ、色や味、意味するものなど、そのイメージができてきましたが、まだはっきりとはわかりませんね。
続きの歌詞も見ていきましょう。
夏祭りの帰り道「またね」と笑った君の姿がやけに胸に焼きついた
くるくると回る風車を 君は弄んで
下駄のかかと鳴らしながら
「またね」って笑ったんだ
夏の終わりは通り雨の香り
「喉が渇いたよ」
出典: https://www.youtube.com/watch?v=RXKsBPv9BMk
「くるくると回る風車」 、「下駄のかかと鳴らしながら」という歌詞から、前の歌詞でも出てきた「君」というのは「僕」の彼女なのだとわかりますね。
夏祭りのデートの帰り道の描写のようで、何となく甘い色水は夏祭りの代名詞であるかき氷が溶けたものなのかもしれないと思わせる歌詞です。
しかし、「風車」を「君は弄んで」「「またね」って笑った」そんな姿がやけに印象的に描かれていて、前の歌詞に出ていた「切なくて」という言葉からも、少し嫌な予感がしてしまいますね。
幸せの絶頂に感じる不安のようなものでしょうか。
しかし、「夏の終わり」という言葉で始まる歌詞から、やはりこの夏祭りデートの後、夏が終わるとともに二人の恋も終わってしまったのだとわかります。
「僕」の渇きを潤すこともなく去っていき、その「香り」だけを残していった「通り雨」のように、一夏の恋の残り香だけを残して、「僕」の恋は終わってしまったのでした。
あまりにもあっけない終わりに「僕」は本当に渇いているのはその心なのに、「喉が渇いた」と言ってごまかすしかなかったのでした。
夏祭りの帰り道、風車を持った「君」の笑顔が、頭から離れないというように印象的に描かれていたのも、その恋が終わってしまったからだったのでしょう。
言葉が少ないからこそ、1シーン1シーンが強調されるように押し寄せてくる歌詞ですね。
失恋した僕を変わってしまった空の色が笑っているようで惨めだった
生ぬるい風が吹いて
夏は僕を笑った
茜色に溶けだした
空は僕を見ていた
飛行機雲が淡く線を引く
いつか忘れてしまうのかな
出典: https://www.youtube.com/watch?v=RXKsBPv9BMk
まだ暑い夏の終わり、恋はもう終わってしまったのに、「生ぬるい風が吹いて」 「夏は」まだ終わってないとでも言うかのように「僕を笑った」気がしたのでした。
空を見上げると「君」との恋を象徴していた水色ではなく色んな色が混ざったような「茜色」で、「溶けだした」ように見えたのは「僕」が空を見上げながら泣いていたからでしょう。
そんな空には「飛行機雲が淡く線」を引いていて、失恋した「僕」には、「僕」と「君」の間に線を引き、二人の仲を引き裂いたように見えたのでした。
今はこんなに悲しいのに「いつか忘れてしまうのかな」という「僕」の気持ちが切ないですね。