ティーンの気持ちに寄り添う加藤ミリヤ
2004年、17歳のときに『Never let go/夜空』でメジャーデビューした加藤ミリヤ。
その魅力はなんといってもソウルフルなボーカル。
そして、力強い歌声とは相反する繊細な心を綴った歌詞にあります。
カラオケで歌いたくなる歌手
経験を重ねるうちに解消されていくけれど、10代20代の頃はまだまだ不安がいっぱい。
壁にぶつかったときに感じる葛藤や衝動をストレートに表現している人がいれば心強いですよね。
ティーンにとって加藤ミリヤはまさにそんな存在です。
「なう」の共有がコミュニケーションの現代は、いかに“自分ごと”に置き換えられるかが重要。
加藤ミリヤの曲は歌詞と自分の境遇を重ね、思わず歌いたくなるような曲ばかり。
歌唱力やセンスはもちろんですが、シンガーソングライターとしての共感力が多くの人に支持される理由です。
メッセージソング『20-CRY-』
素直な表現で若者を魅了し続ける加藤ミリヤの曲のなかでも、とくにメッセージ性の強い曲が『20-CRY-』。
こちらは2009年に14枚目のシングルとして発売されました。
20歳の葛藤を歌う
この曲が代弁しているのは20歳の女性の気持ち。
『ディア・ロンリーガール』、『19 Memories』同様のメッセージソングシリーズです。
曲に内包された感情の強さから、ソニーミュージック配信のケータイ音楽トラマ『DOR@MO』に起用されました。
『DOR@MO』とはアーティストの楽曲から着想を得てドラマとして映像化するプロジェクトです。
歌を実写にするといえば、一青窈の同名曲を映画化した新垣結衣主演の『ハナミズキ』。
さらにGReeeeNの『愛唄』をベースにした『キセキ-あの日のソビト-』が有名ですがそのような感じのものです。
『20-CRY-』を題材にしたドラマは「バースデイプレゼント」、「ハンバーグ」、「わすれもの」の3話。
こちらは同曲が収録されているアルバム『RING』の初回限定盤に収録されました。
曲を聴いているとその様子が自然と頭の中に浮かんでくる……。
誰にとっても当てはまる、普遍的なことを歌った歌詞が映像化の決め手となったのでしょう。
次の項目からは『20-CRY』の歌詞を紹介しながら、その意味を解釈をしていきたいと思います。
『20-CRY-』の歌詞を紹介
ぼっちがこわい
20歳はまだまだ孤独感から目を背けたいお年頃。
深夜に無意味に友達と集まって朝まで無意味に過ごした経験、あるんじゃないでしょうか。
(未成年の方はこれから楽しんでください)
『20-CRY』は、生きていれば必ずつきまとう孤独感に関する歌だと筆者は思います。
人混みの中ひとりきり「寂しい」と呟く
誰も気付かない 誰も気にしない 誰もいない
私はひとり いつもひとり ずっとひとりで
歩いて行くのかな とても苦しいのに
出典: 20-CRY-/作詞:MILIYAH 作曲:MILIYAH
Aメロ1番の部分ですでに言っていますね「寂しい」って。
とくに周囲が誰も自分のことを認識してくれていないとものすごく強くそれを感じます。
気持ちは隠さない。飾った言葉じゃ伝わらない。ありのままの感情でいく。
直球勝負が加藤ミリヤらしい一節です。
生きるのつらみ
答えの出ないことで悩むより筋トレ。
体を動かせば考える余裕はなくなるし、結果的に心も体も強くなって一石二鳥。
頭では分かっていても、そう上手くいかないときだってあります。ちょうどこんなふうに。