この「彼ら」は誰なんでしょうか。この「彼ら」はいろいろ想像できますね。故郷の両親かも知れませんし、故郷の友達かも知れません。その彼らに比べて僕は大丈夫と宣言しています。しかし、この大丈夫は少し強がっている気持ちも入っているのではないでしょうか。
「彼ら」の風邪を気にしつつ、それにつられて寂しくなった僕も君(故郷の遠距離恋愛の彼女)に電話しようと思ってしまうと言う歌詞ではないでしょうか。この切ない気持ちを、不安な気持ちを君の声で埋めようとしているのではないでしょうか。
君がいない事 君と上手く話せない事
君が素敵だった事 忘れてしまった事
出典: 東京/作詞:岸田繁 作曲:岸田繁
君(故郷の遠距離恋愛の彼女)が今ここにないことの不安と寂しさ。君とうまく話せなかった思い出が浮かんで来ているのではないでしょうか。
もしくは君に電話をかけたけど何か話が続かなくて気まずい雰囲気に切なさを感じたのかもしれません。君が素敵だったことを思い出しています。
今は離れてその思い出だけが僕を支えている。そして君から遠く離れてしまったことで忘れたこと。君の笑顔や君のしぐさや君のイントネーションや君の香り。
あの時は絶対に忘れないと実感していたのに離れてしまったら少しずつ記憶が薄れていく切なさ。こんな感情を歌っているのではないでしょうか。
話は変わって今年の夏は暑くなさそう
あい変わらず季節に敏感にいたい
早く急がなきゃ飲み物を買いにゆく
ついでにちょっと君にまた電話したくなった
出典: 東京/作詞:岸田繁 作曲:岸田繁
この「季節に敏感にいたい」と言う部分は出身地と東京の季節の違いを感じ、自分の生まれ故郷のことを忘れないようにしようと言う気持ちを込めているのではないでしょうか。
「早く急がなきゃ」と言う部分は東京で周りに流され満員電車の中でストレスを感じながらも懸命に生きている状況を表しているのではないでしょうか。
そんなストレスまみれの東京で傷ついて苦しくなって切なくなって、気分が落ちるとまた君に電話したくなる気持ちを表現しているのではないでしょうか。
君の声を聞くことでまた東京でがんばっていけるのです。
君がいるかな 君と上手く話せるかな
まぁいいか
でもすごくつらくなるんだろうな
君が素敵だった事 ちょっと思い出してみようかな
出典: 東京/作詞:岸田繁 作曲:岸田繁
この「君がいるかな」という部分は君が電話に出るかどうか不安の気持ちでしょうか。
話す前にうまく話せるかどうか心配なんですね。「まあいいか」と開き直ってみたものの、やっぱりうまく話せないと気持ちが辛くなるだろうなと再び不安に陥っています。この気持ちわかりますよね。
希望が湧き上がったり、不安に押しつぶされそうになったり、その2つの感情が出ては消え出ては消え。切ない気持ちを表現しているのかも知れません。
そして君の声を聞こうかどうか迷っているうちに電話をかけるのが怖くなって、君の姿を必死に思い浮かべて不安を打ち消そうとしているのではないでしょうか。切ないですね。
くるりの「東京」とは
東京での希望と不安を歌った名曲だと思います。
東京に出てきて、未来へ歩き出したワクワクする希望と、故郷から離れ自分が生まれ育った地元をだんだん忘れてゆく切なさ、この2つの気持ちの揺れを見事に具現化した曲ではないでしょうか。
希望と不安という2つの葛藤を描いていますね。
くるり「東京」は聞く人の出身地で解釈が変わる!?
東京への距離が違う
地方出身者といっても様々です。関東近辺なら東京へは2,3時間あれば到着してしまう近い距離です。
しかし東京から離れるにつれて距離が長くなり時間もかかります。東京から離れれば離れるほど、東京で過ごす生活に対して不安が大きくなるのではないでしょうか。
東京の隣の神奈川県の横浜だったら1時間ですぐに地元へ帰れまます。
しかし宮崎県だったらどうでしょうか。飛行機で飛べばすぐに着きますが、お金もたくさんかかりまし、飛行場からも地元の町へ帰るのに時間がかかることでしょう。
そうなると同じ「東京」と言う単語でも人それぞれの地方出身者によって感じ方が違うのが分かります。
希望や不安の度合いが全く違うのでくるりの「東京」の感じ方、解釈も全く違うものになってしまうんですね。
くるり 「東京」はミュージックステーション( mステ)で披露された!
テレビでくるり♪
2016年9月8日(金)ミュージックステーション(Mステ)で「くるり」は「東京」を演奏しました。
「くるり」はテレビにはなかなか出演しないのでツイッターでも話題になりました♪ 加えて、「くるり」のオリジナルメンバーが一夜限りで再結成されたのも注目を集めました。
「くるり」ってメンバーチェンジが激しいので有名です。