説明したくないし(したくないし)
聞かれたくないあれこれ(あれこれ)
面倒になって
逃げ出して来たんだ
どうでもいいよ
出典: Nobody/作詞:秋元康 作曲:Dr.Kay,Gold Driver,BonoBono
ここは、自分を知る人は誰もいない初めて来た街。
誰からも自分のことは聞かれません。
ショーウィンドウをのぞき込んでも自分が黙れば向こうも黙る。
でも、もしウィンドウに写った自分が問いかけてきたら。
何も話したくないし、そもそもいちいち説明なんかしたくないもの。
だからこそ、知らない人だらけの街に来たわけです。
しかし、主人公の心の奥底にある寂しさを感じてしまいます。
優しさが苦しい
Oh
Nobody
Nobody
Nobody
やさしく
やさしく
やさしく
しないで
甘い言葉がのしかかって
苦しくなるよ
出典: Nobody/作詞:秋元康 作曲:Dr.Kay,Gold Driver,BonoBono
恨みや妬みに苦しむとき、人は優しくされるのを拒んでしまうことがあります。
それは、なかなか癒えない傷に触られることでもあるからです。
自分で自分を認められない。
自分が惨めであると認めたくない。
優しくされるのは、ときに「弱い自分を認めよ」という圧力にもなるのです。
見守るしかない
Ah
Nobody
Nobody
Nobody
やさしく
やさしく
やさしく
されても
胸に残る言葉の棘
わかるわけない
出典: Nobody/作詞:秋元康 作曲:Dr.Kay,Gold Driver,BonoBono
こんな主人公を癒やせるのは、時間しかありません。
他人からの優しい言葉など、傷口をえぐるだけです。
自分の心に刺さったとげを抜けるのは自分だけです。
静かに見守るしかありません。
それでも、わかって欲しい
ほっぺた
つねったって
誰も痛くないでしょ?
アタシだけ
アタシしか
痛くないんだ
出典: Nobody/作詞:秋元康 作曲:Dr.Kay,Gold Driver,BonoBono
主人公の中にはアンビバレントな感情が渦巻いています。
- 誰も理解してくれない、けど理解して欲しい
- 優しくされたくないけど、寂しい
主人公は自分で自分の頬をつねります。
この痛みは現実です。
もしかしたら、相手との別れは夢だったのかも、と思ったのかもしれませんが……
そして、一人頬の痛みを感じたところで、周りの人はなんともない。
より、寂しさがつのります。
絶望の先にあるもの
Oh
Nobody
Nobody
Nobody
誰も...
誰も...
誰も...
いないよ
こんなアタシのことなんか
知るわけがない
Ah
Nobody
Nobody
Nobody
誰も...
誰も...
誰も...
一人も
愛を失ったことなんか
興味ないんだ
出典: Nobody/作詞:秋元康 作曲:Dr.Kay,Gold Driver,BonoBono
歌詞はこれで終わってしまいます。
一人、絶望の中にいる主人公ですが、この後はどうなってしまうのでしょう。
これは歌詞とは離れますが、おそらく主人公は一人で立ち直ります。
歌詞ではなく、伴奏のメロディーやリズムが、そう感じさせるのです。
どことなく、けだるい感じ、あるいは達観したものがあると感じました。