半分の好き 半分の嫌い
平行線の終わらないパズル
いっそこのまま溶けてしまいたいの
もう何も隠せない
出典: アシンメトリ/作詞:蒼山幸子 作曲:沙田瑞紀、蒼山幸子
人間の心には相反した感情があります。
例えば、友達が好きなのに嫌い。
恋人のやったことを憎らしく感じるが、それでも愛している。
この感覚は一般的なものです。
無意識に精神のバランスをとっているのでしょう。
それが無意識にできなくなった時、人間はアンバランスになります。
心だけではなく体もアンバランスに。
ここの歌詞にあるように答えの出ない考え事をしていると、なおさらその症状は強くなります。
抽象的なフレーズが多い歌詞。
解釈は難しく、また幾通りもあるでしょう。
ただ一つ確かなことがあります。
それは、主人公が何らかのSOSを外部に出している、ということです。
心を繋ぎとめるのは何?
サビ
半分だってI そうはいかない?
どんどん遠くなる心
アシンメトリー アシンメトリー
そっと繋ぎとめて
出典: アシンメトリ/作詞:蒼山幸子 作曲:沙田瑞紀、蒼山幸子
誰かにSOSを出し続ける主人公。
1行目の歌詞にあるように、一人称を英語にしているところがポイントです。
この部分を、歌詞を見ずに聴くだけだと「愛」にも聞こえます。
一人称の「I(私)」と「愛」。
ダブルミーニングになりますね。
歌詞の4行目にあるフレーズをご覧ください。
主人公はこの言葉をいったい誰に向かって発しているのでしょう?
『アシンメトリ』には主人公に対する人物がでてきません。
そうするとこの部分は、主人公が自分に言っているのだと思います。
もしかしたら主人公の心に「アシンメトリー」と「シンメトリー」の二つが混在しているのかもしれません。
主人公の「アシンメトリー」な心は、「シンメトリー」な心にSOSを出しているのかもしれませんね。
Bメロ
考えてる頭より
感じている気持ちがいい
堂々巡りの僕らのストーリー
望むのはひとつだけ
触れ合える言葉だけ
単純すぎることなのに
どうして伝えられない
出典: アシンメトリ/作詞:蒼山幸子 作曲:沙田瑞紀、蒼山幸子
論理的に考えるのではなく直感的になりたい。
歌詞の1行目、2行目は、主人公の切なる願いが込められています。
考えれば考えるほど分からなくなる。
だから、感じれば感じるほど理解できるようになりたい。
歌詞の6行目をご覧ください。
主人公は誰かに思いを伝えたいみたいですね。
おそらく主人公の親しくしている人物なのでしょう。
その人物と関係がうまくいかなくなり、悩んでいたのかもしれませんね。
サビ2回目
暗号だって愛 発信してたい
じんじん痺れてく手と手
アシンメトリー アシンメトリー
何を抱きしめよう
出典: アシンメトリ/作詞:蒼山幸子 作曲:沙田瑞紀、蒼山幸子
主人公は人に思いを伝えるのが苦手なのでしょう。
それで悩んでいるのです。
歌詞の1行目にあるように、主人公には好きな人がいる。
例え直接的にでなくても、その人に思いを伝えたい。
分かりづらくてもいい。
何かアクションを起こしたい。
主人公はそう願っています。
サビ3回目
半分だっていい そうはいかない?
どんな矛盾もきみだ
アシンメトリー アシンメトリー
もっと好きにさせて
出典: アシンメトリ/作詞:蒼山幸子 作曲:沙田瑞紀、蒼山幸子
100%の思いではなく、50%でいい。
50%の思いを相手に伝えたい。
ここまでの歌詞を見ると『アシンメトリ』は「半分」がキーワードになっていますね。
ただ、50%50%だと「シンメトリー」になってしまいます。
おそらく主人公の、相手に伝えたい思いが「50%近く」にあるのでしょう。
49%、あるいは48%かもしれません。
それが50%以上になったら、主人公は動き出すはず。
数値的な意味でも「アシンメトリー」はカギになるのです。