同じ言葉や同じ音または母音を持つ言葉を繰り返す手法として「韻を踏む」というものがあります。
中でも同じ音で終わる単語を繰り返しリズミカルに構成する手法は「脚韻(きゃくいん)」。
これは、聞き手の印象を深める効果があるのだそう。
呪文のような歌詞はまさに脚韻で、思わず口ずさみたくなるような印象があります。
その他にも同じ言葉を繰り返し使ったり、パピプペポという半濁音を使ったり。
韻を踏む歌詞にすることで頭に残りやすくなり、自然と口ずさんでみたいと思えるものにしているのです。
夢が叶う呪文
呪文のような歌詞の間には、さぁ寝ようと眠りにつくことを誘う言葉を並べていますね。
パジャマを着て布団にもぐり、眠りに入ればパノラマのような夢の世界が広がるよ、と誘っています。
幻の生き物とされるペガサス。
夢の中に出てくると「本当の自分になりたい、ありのままの自分でいたい」という意味があるのだとか。
自分の気持ちに素直になってもいいんだよというメッセージが込められているように感じられますね。
幻の生き物に乗るのは、女の子であれば一度は憧れたことがあるプリンセスです。
現実を知っていても夢は見ていい
「月にうさぎなんていないよ、サンタクロースなんていないよ」はなぜあえて声に出して言うのだと思いますか?
この言葉の裏に隠れている、夢ばっかり見ていないで現実的にならないと大人にはなれないよ、ということ。
夢を見ていたかったのに現実を突きつけられたことへの悔しい気持ちもあるかもしれません。
本当はいつまでも夢を見ていたいんですよね。
夢ばかり見ていては大人になれないというのは本当なのでしょうか?
そんなことはないんです。子どもはもちろん大人だって夢を見ていいし、気持ちに素直になっていい。
この歌は子どもにも大人にも伝えたいメッセージが含まれています。
それは、叶うと信じて魔法の呪文を唱えていた頃の純粋な自分を大切にしてほしいということなのでしょう。
素直になれない
くびフリフリ 知らないフリ
明日の天気は 雨フリ
ものホシボシ ながれるホシ
物欲しそうな 仔猫
出典: アップル・パップル・プリンセス/作詞:柴田陽平 作曲:加瀬邦彦
ここの歌詞ではまだ夢を見ていたいという気持ちに気づかないふりをしている状態を表現していますね。
もし夢を見る気持ちを忘れてしまうと、どうなるのでしょうか?
自分自身の気持ちにうそをつくようになり、心の中は毎日雨が降っているようにどんより。
欲しいものがあっても欲しいと言えない。なのに欲しいものばかりが増えていきます。
いつの間にか常に周りと自分を比べるようになり、いつも何か満たされないような寂しい人生。
あるものよりもないものばかりに目がいって、人を羨んでばかりいる。
そんな毎日はとてもつまらないですよね。
たとえ叶わなかったとしても、欲しいものは欲しいと言ってもいいし、なりたいと思ったものを目指してもいいんです。
必要以上に我慢をしたり、物分かりがいいふりをしている人にその必要はないと訴えているかのようですね。
夢見る気持ちを大切にしよう
思い通りにいかなかったときの対処法
願いごとが駄目なら
魔法の歌 うたおう
出典: アップル・パップル・プリンセス/作詞:柴田陽平 作曲:加瀬邦彦
夢は見たからって必ずしも叶うものではありません。
欲しいと口に出して言っても、手に入らないときだってあります。
願ったのに叶わなかったときは、気持ちがひどく落ち込んでしまいますよね。
頑張ったのにできなかったときは、やっぱりだめなんだ、夢なんて見るだけ無駄、といった気持ちにもなるかもしれません。
暗く立ち直れないほど落ち込んだとき、みなさんは何をしますか?
とことん気持ちが落ち込む自分に付き合う、ひたすら文句を言って誰かのせいにしてしまうなど方法はさまざまかもしれません。
しかしそれでもなかなか解消されなかったときは、魔法の呪文を口ずさんでみるのがおすすめ。
自分を慰めるように小さな声でも出して唱えれば、あら不思議、気持ちが自然と軽くなっていくかもしれませんよ。
この歌詞では落ち込んだ時の対処法を教えてくれているのですね。
魔法の呪文を唱えよう
ポケットから クレヨン出し
ポツポツ夜空に ポップスター
出典: アップル・パップル・プリンセス/作詞:柴田陽平 作曲:加瀬邦彦
幸運はいつか必ず巡ってくるという意味を込めて「止まない雨はない」「明けない夜はない」と表現されることがあります。
この曲では、魔法の呪文がその役割をになっているでしょう。
魔法の呪文を口ずさめば、あら不思議、まるで真っ黒な画用紙にクレヨンで星を書き込むように気持ちが明るくなっていく。
最初は小さくて弱々しかった歌声も、気づけば大きな歌声になりテンポもリズミカルに。
歌に合わせてちょっとしたダンスも踊り出しているかもしれません。
それくらい楽しい気持ちになるような歌だよと伝えたいのでしょう。