2番Aメロ

さよなら さよなら 指切りしてね
固い約束 忘れはしない

出典: 好きになった人/作詞:白鳥朝詠 作曲:市川昭介

彼女の本音がだんだん出てきています。

いくら気丈と言っても、年齢的には二十歳前。

きっと迎えに来てくれる

そんな証しが欲しいのでしょう。

“指切り”なんて子供っぽいことでも、彼女にとっては重要な行為。

離れ離れに暮らすには、“固い約束”が唯一の心のよりどころ。

彼氏にも訴えていますが、自分にも言い聞かせている。

そんなシーンを演出しています。

2番Bメロ

都はるみ【好きになった人】歌詞の意味を紐解く!繰り返される“さよなら”の中に見る女性の気高さが美しいの画像

恋をしたのも 泣いたのも
そうねあなたと このわたし

出典: 好きになった人/作詞:白鳥朝詠 作曲:市川昭介

遠くへ就職することが決まった後、結構もめたのでしょうか?

なんとなく想像しちゃいます。

彼女「私を置いて行っちゃうの(泣)?」

彼氏「そういうわけじゃないけど…」

彼女「私のことなんかどうせすぐ忘れるんでしょ」

彼氏「そんなことはないよ!」

彼女「じゃあ指切りして」

彼氏「わかった、指切りげんまん、嘘ついたら…」

こんな感じでしょうか?

2番サビ

好きで 好きで
好きでいるのよ 愛しているわ
さよなら さよなら 好きになった人

出典: 好きになった人/作詞:白鳥朝詠 作曲:市川昭介

“好き”の連発ですね。

若さを感じる表現方法です。

当時としては珍しいあけっぴろげな恋愛です。

だからこそ憧れとともに聴いている人たちの共感を呼んだのでしょう。

「好きになった人」歌詞3番

都はるみ【好きになった人】歌詞の意味を紐解く!繰り返される“さよなら”の中に見る女性の気高さが美しいの画像

3番は気丈にふるまっていても、悲しみがこみあげてきちゃうシーンです。

最初は明るく見送っていたけれど、やっぱり別れは悲しい。

早く一人前になって帰ってきてね。

若い二人の別れのシーンは、悲しいけれども爽やかさが漂います。

3番Aメロ

さよなら さよなら 泣いたらだめね
つらい気持ちは あなたもおなじ

出典: 好きになった人/作詞:白鳥朝詠 作曲:市川昭介

別れのシーンもそろそろラスト。

明るく見送るつもりが、指切りで一気に感情が爆発。

結局涙が出てきて止まらない。

泣いちゃいけないと強く気を持とうとする彼女。

気丈な振る舞いが若々しく美しいですね。

見送られる彼氏はかける言葉もろくに思いつかないのでしょう。

若いですから。

それを思いやる彼女。

けなげじゃないですか。

3番Bメロ

都はるみ【好きになった人】歌詞の意味を紐解く!繰り返される“さよなら”の中に見る女性の気高さが美しいの画像

ひとり待ってる わたしには
倖せもって 帰ってね

出典: 好きになった人/作詞:白鳥朝詠 作曲:市川昭介

一人で待っていると念を押す彼女。

帰ってくるときは、もちろんお土産を持ってきてねとねだります。

おねだりしているお土産の中身はもちろんお菓子じゃありません。

本当に欲しいお土産

それは“幸せ”

何度目かの暮れに返ってきた彼氏に彼女が尋ねます。

彼女「ねえ、お土産は?」

彼氏「いつもと同じ東京のお菓子だよ」

彼女「ちがうわ、そうじゃなくて…」

彼氏「なんだい?」

彼女「結婚よ!もうそろそろいいんじゃない?」

彼氏「え~!ごめん、まだ無理だよ」

彼女「なーんだ、まだなんだ」

彼氏「おいおい、きげん直してくれよ、頑張ってるんだぜ」

みたいな、痴話げんかが想像できますね!

一人前になってお嫁さんとして迎えに来てもらう。

二人が一緒に暮らせることが“幸せ”

現実的には早くても5~6かかるでしょう。

だからこそ待ち遠しいわけです。