ツユ【くらべられっ子】歌詞の意味を考察！外側が象徴するものとは？比べた先に見つけたものを読み解く！

ツユとしては4作目となる楽曲【くらべられっ子】。

YouTubeでは1000万回再生を突破しています。

また、2020年2月19日にはアルバム「やっぱり雨は降るんだね」を発売しました。

このアルバムにはYouTube上で公開されている8曲が含まれた全11曲が収録。

そんなアルバムの中の9曲目に位置するこの楽曲について歌詞を見ていきます。

YouTubeのコメント欄には様々な共感の文章が寄せられています。

この楽曲にはどのような意味が込められているのでしょうか？

曲名からも想起できるように、この楽曲のテーマは「比較」です。

しかも、高め合うような比較ではなく、ネガティブな比較なのです。

誰かと比較して自分嫌悪に陥る毎日が描かれている。

周りと比べてしまっているのは、他の誰でもなく自分自身です。

本当はそんなことしたくないと思っています。

そして、そんな思いの裏腹で他者比較を続ける心の中の自分。

両者の葛藤や競り合いがひしひしと感じられます。

身体の左側にあり、最も重要な部分は心臓です。

ひとつふたつと自身の劣っている要素を感じ取っていく主人公。

楽曲のスタートから地の底のようなネガティブさが渦巻いています。

自己否定は毎日のように続き、なかなか止むことはありません。

昔からどこか他人より優れていない自分の意識があったのです。

思春期や青年期には大きな特徴があります。

それは物事を「良い」「悪い」の二元論でしか見られないということ。

そんな時期に学校のような集団社会に置かれてしまいます。

集団生活での比較は様々な場面に及んで影響してきます。

勉強や遊び、学力やコミュニケーション能力、更には見た目まで。

何もかにもをあの子と比較し続け、比較され続けきた日々だったのです。

どうにかして追い付こうとして無理やりした背伸びも意味をなしません。

目の前にある色んな人の歩いた選択肢のどれを選んでも上手くいかない。

自分を受け入れることが出来ないだけはありません。

さらにあの子のようにもなれない自分に希死念慮すら抱き始めます。

「痛いの痛いの飛んでいけ！」

これは多くの人が昔、親に教わったおまじないです。

心の痛みを取っ払うために何度も叫ぶのです。

「あの子みたいになりたい。」

これは他者比較をした時に湧き上がってくる最も強い思いです。

仮にあの子の持っている要素を自分も手に出来るとします。

しかしそれは努力を重ねた数年後、数十年後の話なのです。

そんな、今考え悩んでも何も変わらない事ばかりが頭の中にある。

また辛くなって泣いて、また考えて悩んでの繰り返しなのです。

そんな自分に抱くのは確かな死にたいという欲求。

目の前が真っ暗になった主人公の世界には光が差さなくなります。

死にたいのに死ぬことを選ばないのは、なぜでしょうか。

それは、まだ未来と自分に、少しばかりでも希望を抱いているから。

捨てられたいなという言葉の裏側には愛されたいという強い思い。

悩める誰もが皆、気づいて欲しいと思っているのです。

不器用で自己中心的な訴えかけだとしても、ずっと呼び掛けているのです。