自分で自分の首を絞めてきた日々が続いてきました。
それは更にエスカレートしていきます。
そしてついには自分に対して諦念してしまう。
自分はあの子の様にはなれやしないんだ。
そうやって心の中の比較し続ける自分を消そうとします。
しかしながら、比較する日々は止まることは無かったのです。
プライドが高く、負けず嫌いという貪欲な一面も影響していきます。
襲い来る感情はまるでジェットコースター
ポジティブな気持ちも束の間
ちょっとだけ 少しだけど
ありのままで向き合っていた
V W & X Y Z
どのチームに属してみても
失敗ばかり目立つようで
あれ?悪化しちゃった
出典: くらべられっ子/作詞:ぷす 作曲:ぷす
先程までのネガティブに沈み切った主人公とは変化が見られます。
少しずつですが、自分と向き合い始めている様子が描かれています。
そんな中でも、やはり比較や失敗は離れてはくれません。
学校や社会、友人関係など私たちは様々な集団に属して生活します。
それらの集団の中で自分の失敗が目に見えて目立つようになる。
そうすると、必然とあの頃の他者比較や自己嫌悪が表れてきます。
あの子は出来ているのに、何故自分はこんな人間なんだ。
心の中に黒い液体がドバっと流れ込んでいきます。
小さなポジティブを長い月日をかけて取り戻してきました。
しかし、それは一瞬にしてネガティブに飲み込まれてしまいます。
人の性格はなかなかすぐには変わることは出来ません。
再び堕ちる。どん底へ。
暗いの暗いの怖いなって
思ったら身体一つでさえ動かなくて
蓋して 好きなことも霞むから
となりの彼女 旗を揚げていた
眩しすぎるわ
出典: くらべられっ子/作詞:ぷす 作曲:ぷす
そしてまた頭の中で描くのは何にもなれない自分のことです。
考えていることも見えているものも全てが真っ暗になります。
劣等感と焦燥感、虚無感や希死念慮が押し寄せるのです。
嫌なモノばかりを見ている日々が続きます。
そうすると、気づけば自分の好きなモノすらも分からなくなった。
心にぽっかり穴が空いたような感覚を感じます。
そんな自分とは対照的だったあの子を思い浮かべる。
ふと見上げるとあの子は光るように生き生きと毎日を生きていたのです。
ただの眩しいではなく、見つめられないほどに眩しすぎたその生き方。
ますます自分の暗さ、無力さに拍車がかかります。
生きたいという思いの強さ
追い詰められた先に
くらべられっ子 くらべられっ子
それでも生きてるよ
大した結果も出せないのに図々しく生きてるよ
だから息を吐いて 口を塞いだ
私をほっといて
そしたら瞳閉じるの 終わりだね
出典: くらべられっ子/作詞:ぷす 作曲:ぷす
鳴り止まない自己嫌悪を抱える毎日が続きます。
そんな日々が続きながらも、必死に生きているのです。
0から1にならない自分に自己憐憫すら抱きます。
世界から迫害されたような疎外感を感じた主人公。
ついには死ぬことを選ぼうとし始めるのです。
どうなっても構わないと感じています。
膨れ上がった感情はついに抑えきれなくなります。
生と死の天秤
平行線から交わって
ほら全部外側に置いてってみよう
無理だよ
出典: くらべられっ子/作詞:ぷす 作曲:ぷす
外側とは「死」を表しているのです。
ここでの平行線とは、作り上げた自分と心の中の自分。
両者を二つの線で表しているのだと思います。
最終的に、主人公は自分に「死」を選ぶことを問いかけます。
しかし、主人公が出した答えは「無理だよ」だったのです。
いくら廃材のような惨たらしい自分だとしても生きたい。
そう願うのは、自分への悔しさと未来への淡い期待があるから。
明日には、一年後には、十年後には変わっているかもしれない。
たとえ変わることは無くとも、今の生きる力となるのです。