Awesome City Clubの「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」ってどんな曲?

「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」Awesome City Clubの踊れるデュエット曲?!の画像

Awesome City Clubの「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」は、2017年1月25日に発売された、4作目のアルバム、『Awesome City Tracks 4』 の収録曲です。

収録されたアルバム『Awesome City Tracks 4』 は"Awesome revolution"という言葉をテーマに、これまでメンバーたちの目を通してみた都会というものが反映された楽曲が多かったのですが、それに加えてもっとこうなればいいという思いを詰め込んだ楽曲が集まったアルバムです。

「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」のMV

9億自体も様々な要素がミクスチャーされていますが、MVの方の振り付けも、パラパラと、空手、そして、かぶり物も使われていますがアニソンの振り付け的な要素も入っています。

これには理由があり、都会にはたくさんの人がいても、様々な感性があるぶん、好きなものも違い、自分のことを理解してくれる人はいない、でも、たまには許されたい。

そんな日があってもいいのではという考えから、SNSで常にたくさんの人とつながっていても、理解してくれる人がいない寂しさを抱えた人たちに、「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」は作られたそうです。

上の言葉は以前インタビューの際にメンバーが語っていたことを大まかにまとめたのですが、これだけではいまいちピンとこないという方もいますよね?

ここからは詳しく歌詞を見ていきながらその意味を掘り下げていきます。

Awesome City Club「今夜だけ間違いじゃなかったことにしてあげる」歌詞解釈

夜な夜な遊んで回るのは、寂しいから?

流れるテールランプ
まばらな今夜
遊び足りない僕らは
誰かのパーティー
誘われるままにhung out

出典: https://twitter.com/LJj7w/status/888346312277504000

走っていくテールランプが流れるような深夜、車の通りが「まばら」なのは、平日だからか、時間が遅いからか。

それでも「遊び足りない僕ら」は誘ってくれるなら誰でもいいから「誘われるまま」に出かけていくのでした。

何かしたいわけでも、すごく楽しいわけじゃなくても、ただ、一人でいたくないときの気持ち。

そして、子どもの頃、まだ遊びたいのに、みんなが帰ってしまった後の気持ち。

片方は子どもの頃の話と思うかもしれませんが、どちらの気持ちも同じ気持ちで、その感情に名前をつけるなら、寂しさではないでしょうか。

つまり、この歌詞に出て来る「遊び足りない」という言葉は、ここでは寂しさを意味していると解釈できるのです。

一人は寂しくて、賑わいもまばらな夜に誰でもどこでもいいから出かけたい、そんな現代の若者の心情が描かれた歌詞ですね。

朝まで一人にしないでほしい、もっと遊んでいたい

カクテルソーダじゃなくて今日は
なんか強いやつ飲みたいな
終電前に出ちゃうんでしょ?
つまんない

出典: https://twitter.com/LJj7w/status/888346312277504000

「終電前に出ちゃうんでしょ?つまんない」と拗ねたように言った言葉は、寂しい気持ちを隠す為。

そして、「カクテルソーダじゃなくて今日はなんか強いやつ飲みたいな」と強がっても、お酒では心細さは消えないのを分かっているのです。

楽しいとか楽しくないとかじゃなく、誰かと繋がっていたいという気持ちが出ている歌詞。

こんなにポップでダンサブルな楽曲だから明るい歌詞が良かったと思う方もいるかもしれませんが、ここから歌詞は盛り上がっていくんです。

お酒じゃ飲み干せなかった感情が共鳴する

今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる
飲み干せない僕らの感情がグルーヴしていく
midnight夜のせいにして期待しすぎてる
青いミラーボールの光
回り続ける回り続けてる

出典: https://twitter.com/yocto_flower75/status/912316933814444037

「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」という歌詞は、心細さや寂しさを持った人たちに、今日は弱い自分も許してあげたらと優しく語りかけるような歌詞です。

寂しいからって夜な夜な遊びまわっているなんて「間違い」だ、異性との関係は一人とはっきりさせておかないと「間違い」だと、とにかくこの世の中には正論が幅を効かせ過ぎていて、生きにくいところがあります。

間違っているのが分かっていても、心が追いつかないことだってありますよね。

しかし、だからといって自分で大丈夫じゃないことも、このままじゃダメなことも分かっているのに、大丈夫だよとか、そのままの君でいいんだよとか言われても、全く心に響きませんよね。

そんな感情を全て汲んだ上で、「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」と、そんな人に許しを与えてくれているのです。

今夜だけはと許しの空気が漂う中で、少しずつ寂しさが共鳴して、やがて「グルーヴ」、つまり、心地よいものになっていく。

誰かが分かってくれているという「期待」が膨らんでいくのです。

知らない誰かと奇跡的に同じことを考えていたり、同じ気持ちだったりという経験がないと、実際にはわかりませんが、想像がつきますよね。

それが負の感情の共鳴であっても、分かり合えた瞬間、"Awesome"という言葉がぴったりなくらい心地がいいということくらいは。

言葉での駆け引きに興じる二人