独特の歌詞に椎名林檎の世界観があふれる
青い空よなぜ雲をかかえて端っていく
恋しいだれかをそっと追い掛けるの?
甘い果実よなぜ蜜を隠して黙っている
美味しい所を誰かに残しているの?
おしえてよもう騙されないわ
仮初めの彩度だけぢゃ厭なの
・・色眼鏡割り棄てて・・
赤い空よなぜ太陽なんて溶かしていく
敢えないなみだに今日を滲ませるの?
判るのよちゃんと見極めるわ
モノクロの濃度だけで好いの
・・色仕掛け取り止めて・・
出典: いろはにほへと/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
「青い空」「赤い空」、言葉の使い方、特に韻の踏み方に文学性を感じずにはいられません。
無駄に英語を使うのではなく、純粋に日本語の美しさがにじみ出てくる歌詞です。幻想的、かつ甘美なニュアンスが漂います。
多分、椎名林檎の好みなのでしょうが、漢字の使い方も独特です。「厭なの」の「厭」なんて、普通歌詞には使いません。
「敢えないなみだ」なんて表現、歌詞というより単独で「詩(ポエトリー)」として成り立っています。
自然の摂理こそ「生命の哲学」
気高いあなたもこの大自然の一端ね
わたしに見せてよ 今尚未開拓の根源
生きているあなたのいのちは無色透明
黄色い百合よ別れ際に咲っている
万代不易を欲するのは無為と云うの?
丸い目をすかして求めた全部が愛しい
浅い夢見やしゃんせさあ見やしゃせ
出典: いろはにほへと/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
ロックやポップスで「万代不易(ばんだいふえき)」などという四文字熟語を見るのは初めてです。
言葉の意味を辞書で引いてみると「いつまでも変わらないこと」とあります。普遍的なものを欲するのは無為なのか?と問うています。
それらすべてが「自然の摂理」であり「自然の一端」なのです。これぞ椎名林檎流「生命の哲学」なのです。
歌詞を紐解くと、より一層哲学度が増して崇高な楽曲に思えてしまいます。
他に類を見ない、椎名林檎が紡ぎ出す世界観こそが「万代不易」なのかもしれません。
デビュー20周年
2018年5月23日に、デビュー20周年を記念したトリビュートアルバム『アダムとイヴの林檎』がリリースされます。
椎名林檎の名曲を、豪華アーティストが独自の解釈でカバーします。
参加アーティストはAI、井上陽水、宇多田ヒカル&小林成彬、木村カエラなどトップアーティストが名を連ねます。
さらに竹内結子主演「ストリベリーナイト」シリーズでお馴染みの誉田哲也書き下ろし短編小説『歌舞伎町の女王ー再開ー』が封入されます。
常に進化し続ける椎名林檎、2018年の活躍も見逃せませんね。
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