永遠になんてしたくない

風化するのをただ待ちたい「あなた」

もう二度と思い出さないよ
咲くより散るよりも
綺麗に枯れていきたい
あなたはきっと言うから

出典: Glass Flower/作詞:miyakei 作曲:Jongsung Yoon,Taehoon Lee,youwhich

「あなた」を忘れたいけど忘れられない主人公は、思い出さないようにしようと再び決意します。

なぜなら「あなた」はそんな風に愛され続けることを望んではいないからです。

この「咲く」という言葉は、相手への好意を伝える告白を意味しています。

Aメロでも表現されていましたが、二人はどちらも好意を決定的には伝えあっていません。

ですが共に過ごす時間で、言わずともお互いの好意を感じ取っていたのは間違いないでしょう。

そして「散る」という言葉は、告白に対する拒絶を意味しています。

つまり「あなた」は告白したり断ったりして関係を決定づけたくないと思っていました。

告白を断らなければならない特別な事情が「あなた」にはあったようです。

だからこそ、お互いの関係に名前を付けず、何も言わずにただ想いを風化させたいと願っています。

そんな「あなた」の望みを、主人公も理解していました。

飲み込んだ言葉

まだきっと またずっと
不自然に飾られるように
まだきっと またずっと
あなたを想うくらいなら

出典: Glass Flower/作詞:miyakei 作曲:Jongsung Yoon,Taehoon Lee,youwhich

この部分は「あなた」の望みではなく、主人公の望みが描かれています。

それにしては随分と言葉を飲み込んでいるようでした。

4行目の歌詞不自然に途切れていることに注目してください。

この続きには、ただ記憶を風化させて忘れたいという趣旨のフレーズが隠されているのでしょう。

まさに「あなた」と同じことを望んでいるといえます。

ですが、冒頭でも触れたように「きっと」と「ずっと」の後にも続く言葉がそれぞれにあったはずです。

この二つのフレーズは曲全体で何度も繰り返されていました。

ならばここで飲み込んだ言葉もまた、主人公の本音なのです。

「あなた」と同じように忘却を望んでいる主人公の本音とは、なんなのでしょうか。

「あなた」はもういない

月が象徴するもの

月が上がるよ ふたりだけで見つけた 星は隠れた

出典: Glass Flower/作詞:miyakei 作曲:Jongsung Yoon,Taehoon Lee,youwhich

1番のAメロでは、花を二人で共にいる未来の象徴として扱っていました。

そう考えると2番のAメロにあるもまた、二人が共にいる未来の象徴として使われていると考えるのが自然です。

その星を隠してしまったが、重要なポイントとなっていました。

月が象徴しているものこそ、二人が離れる原因になったものではないでしょうか。

「あなた」にとって、二人で共にいる未来よりも重要なものができたことを示しています。

具体的にそれがなんだったのかは、歌詞の中で描写されていない以上断言できません。

他の異性とどうしても結婚しなければならない特殊な事情があったのかもしれません。

もしくは、主人公の傍にいたのでは叶えられないような夢があった可能性もあります。

どちらにせよ「あなた」はそれがあるがゆえに、主人公の想いには応えることができませんでした。

だからこそ主人公に心を残しつつも、ただ想いが消えるのを待ちたかったのでしょう。

終わる事ない 瞬きはない
閉じた瞳じゃ あの星座は見えない

出典: Glass Flower/作詞:miyakei 作曲:Jongsung Yoon,Taehoon Lee,youwhich

主人公も何が原因で「あなた」と離れなければならないかは理解していました。

「瞬き」とは輝きを意味しています。

つまり1行目の歌詞は、より大切なものができれば優先順位が変わるのは当然だと表現していました。

少し自嘲しているようにも聞こえます。

「あなた」への想いは募るばかり

光まとったGlass Flower
綺麗に咲いたって
照らされないと輝けなくて
色を失くすよ
Blind あの空の青さえも
映し出せない

出典: Glass Flower/作詞:miyakei 作曲:Jongsung Yoon,Taehoon Lee,youwhich

この歌詞は「あなた」との素晴らしい過去があっても、今「あなた」が傍にいないことが辛いと表しています。

「Glass Flower」とは「あなた」への愛の象徴でした。

その花に色を付けたのが「あなた」である以上、輝かせることができるのも「あなた」だけなのです。

ですが「あなた」と離れて随分たったため、徐々にその輝きを失いつつあります。

ここで注目してほしいのは、色をいくら失っても「Glass Flower」は変わらずに主人公の心にあることです。

これは、「あなた」がいなくなってどんなに辛くても、「あなた」への愛を忘れられないことを意味しています。

そして「Blind」という言葉は、何も見えないさまを表していました。

5行目以降の歌詞は、他のもので着色しようにも何も見えないからできないことを示しています。

つまり、この空虚さは「あなた」以外の存在では埋められないということを意味しているのです。