彼とのすれ違いを理解していながらも、ここまで彼への気持ちが変わることはありませんでした。

彼の気持ちが向いていないことを理解しつつも、その僅かばかりの愛すがっていたのです。

しかしその僅かな愛さえも消えてしまった。思えばその前兆はあったのかもしれません。

主人公は自分自身を、美しく輝く宝石に例えました。

水槽に入れられた宝石はその重さで少しずつ沈んでいきます。まさに彼に溺れていく主人公の姿そのもの。

そして宝石は最後に、水槽に敷き詰められた砂に埋まってしまいました。

これは、主人公に対する彼の興味が完全に失われたことを意味しています。

ただ、興味を失ったのは彼だけ。主人公はまだ彼への想いを断ち切ることができていません。

その証拠に彼女はまだ水槽の中にいて、彼の毒におかされたままなのです。

主人公が抱く彼への愛が失われれば、彼女は水槽から飛び出してどこか別の場所へ旅立つはずです。

そうしないのは彼に捨てられそうな現実を理解しつつも居心地の良さに甘えているということでしょう。

伝わらないとわかっているけれど

6行目に登場するcypher暗号のこと。

これは主人公が彼に対して抱えていた感情のことを意味するのでしょう。

彼女がどれほど一途に彼のことを想っていたか。彼女がどれほど彼と本当に愛し合うことを望んでいたか。

これは言葉にしたところで、愛の捉え方が正反対の彼に理解してもらえることはないでしょう。

主人公も、伝わらないことは理解できています。

でもそれに反抗して、「いつか理解してもらえたら」という希望も抱いている。

つまり暗号とは、いつか彼が解き明かしてくれるかもしれないという一縷の希望にかけた想いなのです。

最後に

雨宮天【VIPER】歌詞の意味を徹底解説!VIPERが求めるものとは?何も見えず聞こえない訳を紐解くの画像

決して交わることのない男女の想いを描いた【VIPER】。

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