RADWIMPS【大丈夫】歌詞の意味を独自考察!君と僕との関係は?「大丈夫」に込められた想いに迫るの画像

取るに足らない 小さな僕の 有り余る今の 大きな夢は
君の「大丈夫」になりたい 「大丈夫」になりたい
君を大丈夫にしたいんじゃない 君にとっての 「大丈夫」になりたい

出典: 大丈夫/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

いよいよこの曲の核心部分になります。

僕が「大丈夫」という言葉にかけた並々ならない想いが明らかになるのです。

このラインは非常に難解な印象があります。

ここで読み解くのに必要な鍵になるのは表記の違いです。

括弧のついた「大丈夫」と括弧のない無印の大丈夫。

この表記の書き分けの意味を探っていきましょう。

大丈夫という言葉は「あぶなげない様子」「安心できる様子」という意味を持ちます。

ここで楽曲「大丈夫」での括弧のつかない大丈夫とは君はあぶなげなくやっているという意味でしょう。

僕は君にあぶなげない状態になって欲しいとも願っているはずです。

しかし重要なのは括弧のついた「大丈夫」になりたいという願いの方になります。

何が違うのでしょうか。

まず括弧のつかない大丈夫な状況というのは観測された事実になります。

君を外から見てあぶなげないと判断するのです。

こうした他人による観測では僕は満足できないのでしょう。

君の内側の芯の部分になる、そんな括弧つきの「大丈夫」になれることを願っているのです。

主体として他者の「大丈夫」になりきる。

これは実存主義的な賭けです。

RADWIMPS歌詞は非常に高度でキラキラしているのに難解でしょう。

それは野田洋次郎の人間哲学の深さと相応します。

僕は君の観測者として関わりたい訳ではないのです。

君のうちにある確かな実体・実存にまでなりきりたい。

そうすることで君の華奢な肩にかかった極度の重圧にも耐えうるような「大丈夫」になりたいのです。

「大丈夫」という楽曲が人と人との関わりに新しい価値や灯火を照らすのはこの新しい発想にあります。

こうした発想はさすがにライトノベルでは展開できません。

もっと哲学的に深い人間の相互理解と共助の在り方を指し示しているのです。

それでいてポップソングとしても一流の装いをしています。

RADWIMPSの「大丈夫」という曲の真価は奥が深くて間口が広いことにあるのです。

「大丈夫」が呼び覚ました力

RADWIMPS【大丈夫】歌詞の意味を独自考察!君と僕との関係は?「大丈夫」に込められた想いに迫るの画像

世界が君の小さな肩に 乗っているのが
僕にだけは見えて 泣き出しそうでいると

「大丈夫?」ってさぁ 君が気付いてさ 聞くから
「大丈夫だよ」って僕は 笑って言うんだよ

何が僕らに降りかかろうとも
きっと僕らは「大丈夫」だよと
僕は今日から君の「大丈夫」だから

出典: 大丈夫/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

いよいよクライマックスになります。

「大丈夫」という言葉とアイディアを念押しするように繰り返すのです。

先ほどまでは僕か君のそれぞれの「大丈夫」について歌っていました。

クライマックスに至るとこの「大丈夫」は僕らのものに成長します。

ふたりの愛は盤石のようなのですが、映画「天気の子」ではこのふたりの愛が東京を雨に沈めるのです。

このラストについても賛否がありました。

詳しくは映画サイト「シネマノーツ」の関連記事をご参考いただきたいです。

このページからリンクを貼りました。

映画のファンの方には新しい視点を授けてくれるでしょう。

ラストの在り方に疑問を持たれた方は確信を獲るはずです。

楽曲「大丈夫」は映画のあらすじではありません。

映画「天気の子」に関しての記憶が薄れる未来でも新しい価値を鳴らしてくれるはずです。

若いふたりの愛固有の閉塞性は感じるかもしれません。

ふたりの世界だけで閉じてしまった印象は確かにあるのです。

しかしふたりが対峙する世界の巧妙さに思いを馳せます。

もっと強い愛を育んでゆかなければ狡猾で貪欲な社会に、いずれふたりは飲み込まれてしまうでしょう。

大丈夫

この言葉の響きを実体として生きることを選んだ僕の身を呈した想いが過酷な現実から君を守る。

大丈夫という言葉には名詞としての使い方があるのです。

丈夫と書いて「ますらお」と読みます。

意味は立派な強い男というものです。

この丈夫に接頭辞の「大」をつけた言葉が「大丈夫」のもうひとつの意味になります。

とても立派で堂々として強い男。

僕は君のためにこうした存在になろうと心に決めます。

それは成長して一人前の大人の男になるという意味でもあるでしょう。

「大丈夫」という楽曲は僕の成長譚でもあるのです。

歌い出しの所在ない頼り甲斐のない少年はクライマックスでは随分大人になりました。

わずか5分35秒の間の出来事です。

歌でしかできないマジックであり新たな希望になるでしょう。

若いリスナーの成長に寄り添うように贈られた僕の成長譚「大丈夫」。

RADWIMPSが届けてくれた新たな人間哲学から滋養を得ましょう。

大切なことは過酷な現実を乗り越えるために共感力をフル活用することです。

その力はリスナーの胸にいつもあるものでしょう。

音楽という芸術・文化自体が共感力を媒介に伝播するものだからです。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

OTOKAKEとRADWIMPSの軌跡

OTOKAKEにはRADWIMPSの関連記事がたくさんあります。

中でも新海誠監督の「君の名は。」の主題歌になった曲の記事をご紹介しましょう。

前前前世

J-ROCKシーンから飛び出したポップチューンで映画の主題歌を超えて愛されました。

この楽曲の歌詞を深く読み込んだ記事になります。

ぜひご覧ください。

学生時代から活動を続け、その人気は衰えるどころか、ますます上昇しているRADWIMPS。何かと話題になる彼らですが、2016年8月24日にリリースされたアルバム「君の名は。」より「前前前世」が映画「君の名は。」の主題歌として使われることになりました! 軽快なサウンドが心地よい「前前前世」の歌詞を解説します。

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