今日だってままならないや 定まらない
うだつの上がらない life 明日も分からないや
二つと無い日々 二人と居ない君
ただ目を逸らし いたずらにそう胸を焦がし
出典: ダイアログ/作詞:Kj 作曲:Dragon Ash
コロナ禍を表しているともとれる歌詞
当たり前のはずの事が崩れ
代わり映えもなく そう僕ら続け
ほら言葉探し 今音を鳴らし
皆心交わし 今宵はどこの街へ
出典: ダイアログ/作詞:Kj 作曲:Dragon Ash
この曲が披露された〝THE FIVES〟ツアーは全国のライブハウスを周るツアーでした。
KenKenを失っても新メンバーを加えてDragon Ashは続いていきます。
不慮の事態にも負けず歌って演奏して全国を周る、という強い気持ちが感じ取れます。
シングル『NEW ERA』の主題曲【NEW ERA】はコロナ禍になって最初に書かれた楽曲です。
「新時代」というタイトルの通り、このコロナ禍とバンドの新体制に対する想いが込められています。
【ダイアログ】が作られたのは2019年夏頃なのでコロナ発生前です。
しかし図らずも【NEW ERA】同様、コロナ禍とバンドの状態の両方を表した歌詞ととることができます。
当たり前の生活が崩れ、先の見えないこの状況での生き方を提示しているようにもとれる歌詞なのです。
しがみ付いていたいもの
What are we expecting to be there?
Even if nothing’s gonna change right now
僕らは何かにしがみ付いていたいんだ
絶え間なくこの闇に 薪をくべる様に
夜が明けて晴れ間差すその度に 咲き誇れる様に
出典: ダイアログ/作詞:Kj 作曲:Dragon Ash
ここで歌われる、闇のようにお先真っ暗な状況でも「しがみ付いていたいもの」とは一体何なのでしょうか。
すぐにはこの状況は変わらないけどそれに期待(expecting)しているようです。
これは直前のパートからも推測できるように「バンドの継続」を意味していると考えられます。
どんな状況でも自分の信じる道を進めばいつか夜が明ける。それはこのコロナ禍にもいえることでしょう。
Kjが信じるもの「しがみ付いていたいもの」はバンドであり、音楽のようです。
起き上がれ!
Get up Get up 星に願えば
Get up Get up 望み通りに描けば
誰か問いかける 影が追い立てる
焼けた空の色 ぼやけた先に思い馳せる
間違ってばかり その度にやっと学び
すれ違ってばかり その度出逢ってばったり
打ちのめされたまま 次を目指せたなら
少しは変わるのかな 今の僕ら
出典: ダイアログ/作詞:Kj 作曲:Dragon Ash
ここでは「起き上がれ!」と自らを鼓舞します。
間違っても倒れても、起き上がり前を向いて進めば人は変わっていける、と。
バンドのリスタートにかける強い想いを感じ取れます。
同時に、この「やり直せる」というメッセージはKenKenに向けたものともとることができるでしょう。
「鐘」の意味するもの
あの名作映画の引用
誰が為にそう鐘は鳴る あなたへきっと鐘は鳴る
この声ずっと絶え間なく その向こうできっと晴れ渡る
そっと...そっと...Get up
出典: ダイアログ/作詞:Kj 作曲:Dragon Ash
最後のパートの歌詞には「鐘」という印象的なワードが登場します。
このパートは1943年公開の名作映画『誰が為に鐘は鳴る』の引用だと考えられるでしょう。
『誰が為に鐘は鳴る』はアメリカの小説家アーネスト・ヘミングウェイによる小説を原作としています。
そしてそのタイトルはイングランドの詩人ジョン・ダンの『瞑想』という詩の一節から取られたものです。
その詩本来の意味を知ることが小説、映画はもちろん【ダイアログ】の歌詞を理解することに繋がります。