尾崎豊『15の夜』は14歳の少年が残した深すぎるメッセージソング?!歌詞の意味を徹底解釈!の画像

缶コーヒーのぬくもり

冷たい風冷えた躰人恋しくて
夢見てるあの娘の家の横をサヨナラつぶやき走り抜ける
闇の中ぽつんと光る自動販売機
100円玉で買えるぬくもり熱い缶コーヒー握りしめ

出典: 15の夜/作詞:尾崎豊 作曲:尾崎豊

冷たい体とさみしく人恋しい心。

自由になりたいと飛び出してみたけど、心と体は冷え切ったまま。

自動販売機で買った缶コーヒーのぬくもりが身にしみて感じられるけど、心までは温めてくれない。

恋人との将来を思い描いてはいるけど、恋の結末はわからない。“心を捨てろ”という大人たち。

恋の結末も解らないけど
あの娘と俺は将来さえずっと夢に見てる
大人達は心を捨てろ捨てろと言うが俺はいやなのさ
退屈な授業が俺達の全てならば
なんてちっぽけでなんて意味のない なんて無力な15の夜

出典: 15の夜/作詞:尾崎豊 作曲:尾崎豊

ここで描かれている場景でわかりますが、家や学校を飛び出してみても、本当の自由を感じることはできなかったことがわかります。

大人の目線で見ればいろいろなことが理解できますが、14歳の少年には大人たちの心配が“心を捨てろ”と言っているように感じられたのでしょう。

学校へ行け、勉強しろ、決められた時間に家に帰ってこい、と言われ続けていたことを思い出してみると、確かに子供に自我や自由がないように思えます。

そのもどかしい14歳の心を非常にうまく表現していますね。

自由とは何なのか

尾崎豊『15の夜』は14歳の少年が残した深すぎるメッセージソング?!歌詞の意味を徹底解釈!の画像

盗んだバイクで走り出す

盗んだバイクで走り出す
行き先も解らぬまま 暗い夜の帳りの中へ

誰にも縛られたくないと逃げ込んだこの夜に
自由になれた気がした15の夜

出典: 15の夜/作詞:尾崎豊 作曲:尾崎豊

自由を求めて家出をしてはみたものの、何かが違う、まだ満たされない。

そんなもどかしい気持ちを忘れるためには、バイクを盗んで暗闇を走ることぐらいしか思いつかなかったのでしょう。

「行先も解らぬまま」という部分が当時の気持ちを表現しています。

バイクで走り出すということが自由へ向かっていくことだとすれば、行き先が解らない=自由というものが何なのか解らない

その気持ちを表現しているように思います。

誰にも縛られたくないと逃げ出してはみたけど、自由になれた気がしただけだった。

本当の自由を感じることはできなかったのでしょう。

尾崎豊は、2ndアルバム「回帰線」に収録されている「Scrambling Rock'n' Roll」という曲の中で、

自由っていったい何だい?」と歌っています。

この15の夜を作った当時から“自由になりたい。でも、自由っていったい何なんだろう?”という気持ちをずっと持ち続けていたのではないでしょうか。

まとめ

デビュー曲にして名曲尾崎豊の「15の夜」に秘められたメッセージと歌詞の解釈をご紹介しました。

いかがだったでしょうか。

多くの人がこの「自由になりたい」という気持ちをもったことがあるかと思います。

日本の教育制度で義務教育があり、それがとても重要で幸せなことだと気が付くのは大人になってからです。

14歳の少年に言い聞かせても理解できる子は少ないでしょう。

この曲が多くの支持を得ている理由の一つに「少年時代の気持ちを代弁してくれている」というものがあると思います。

少年時代には、何かを感じることはできてもそれを具体的に表現するのは難しいことです。

尾崎豊が10代のカリスマ・代弁者と言われてきた理由がこの曲に凝縮されていると思います。

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