BiSH【CARROTS】ミニアルバム全曲解説！リード曲「I am me.」以外にはどんな曲がある？

1曲目の『I am me.』同様に未来しか見ないポジティブな歌詞が印象的な『まだ途中』。

Hi-STANDARD直系の疾走感溢れるアレンジとの相性もバッチリです。

作詞を担当したモモコグミカンパニーはBiSHの中でもっとも成長を見せた1人なのではないでしょうか？

敬愛する住野よるの著書「麦本三歩の好きなもの」の表紙に抜擢。

雑誌「Rolling Stone」での連載も好評と夢を邁進中に見えます。

しかし『まだ途中』の歌詞に見え隠れするのは彼女たちの描く夢のスケールの大きさです。

そう、BiSHにとって今の地位は『まだ“夢の”途中』なのでしょう。

シングルカットされてもおかしくない大傑作です。

そして3曲目はBiSHなりの突き抜けた青春パンクソング『CAN YOU??』です。

世間の評価と裏腹に劣等感に苛まれるアイナ・ジ・エンドの書く詞に心打たれます。

マイケル・ジャクソンを目指すアイナですが『CAN YOU??』で提示する世界観はむしろ甲本ヒロト。

シンプルなアレンジも相まって、まるでTHE BLUE HEARTSのような楽曲に仕上がっているのです。

ここまで通して聴いた印象は1stアルバムの『Brand-new idol SHiT』に近いものがあります。

同時に感じるのは幕張メッセ3daysで見せた壮大な『My landscape』を通過した強さです。

6人の自信に満ち溢れた歌声があるからアイナの書くストレートな詞にも深みが出てくるのでしょう。

どんなパンクバンドにも表現できないスタイル。

それが3曲目の『CAN YOU??』なのです。

パワーポップ、メロコア、青春パンクと続いた『CARROTS』のラストナンバー。

繊細なピアノの旋律と6人のハーモニーが美しいバラード曲『NO SWEET』です。

BiSHのバラード曲といえば『Life is beautiful』が有名ですが構成はよりシンプルになっています。

どちらかというと『HiDE the BLUE』に近いですが更に抒情的な世界観に仕上がっているのです。

そして6人のこれまでの活動を振り返るような歌詞がとにかく素晴らしい...。