椎名林檎「茎」

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椎名林檎「茎」は2003年発売の8枚目のシングルです。本作で椎名林檎は初の発売週オリコンチャート1位を獲得し、マニアックな曲ながらリスナーの注目を集めました。アルバムに先行して発表されたシングルとなりますが、シングルではオリジナルバージョンのアレンジが楽しめます。

妖艶な椎名林檎の歌声が楽しめる、しっとりとしたバラードに仕上がっています。独特の世界観と意味深な歌詞が魅力の一曲ですね。

違うバージョンが楽しめる「茎」

シングル「茎(STEM)〜大名遊ビ編〜」

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シングルで聴くことのできる「茎(STEM)~大名遊ビ編」は全編英語の歌詞で歌われており、オーケストラアレンジとなっています。「大名遊ビ」という言葉でオーケストラの豪奢な印象を醸し出す、なんとも椎名林檎らしい粋な演出ですね。

英語版の歌詞は、アルバム版の日本語を英訳した形となっておりますが、少し癖のある英語の使い方が多用されています。

アルバム収録の「茎」

「茎」は日本語で歌われたバージョンで、椎名林檎3枚目のアルバムとなる「加爾基 精液 栗ノ花」に収録されています。

椎名林檎のアルバムは収録曲のタイトルが左右対称(文字数、漢字とカタカナの配置など)になるよう並べられていることが特徴で、「茎」は「加爾基 精液 栗ノ花」の収録曲の中央に配置される楽曲となりました。

「加爾基 精液 栗ノ花」は発売週から連続オリコン1位を獲得し、椎名林檎の人気を決定づける1枚となりました。

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公式PVは「短篇キネマ 百色眼鏡」の映像を楽しめる傑作

アルバム「加爾基 精液 栗ノ花」の世界観を映像で再構築した「短篇キネマ 百色眼鏡」は、椎名林檎の音楽を映像で楽しめる貴重な映像作品としてDVD化されています。

その主題歌として起用されていたのが「茎」で、「茎」のPVには「短篇キネマ 百色眼鏡」のシーンだけでなく、セリフまで盛り込まれており、PVそのものがショートムービーのように楽しめる仕様となっています。

小雪が主演を務め、椎名林檎も特別出演している本編映像も非常に美しく、見ごたえのある作品です。

ロマンチックな世界観とミステリアスな物語に、椎名林檎の音楽が絶妙にマッチしています。

「茎」のパッケージと色違いのようにデザインされたDVDパッケージも魅力的ですね。

「茎」の深い歌詞の世界を考察

儚い女性を描いたサビの歌詞

喩へ蒔いても育つても仙人草(クレマチス)
咲いても強く色付かうとも
瞬時に黙つて堕ちて逝きます
如何して? 何故哀しくなつたの
現実の夢

出典: 茎/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

クレマチスの花が種をまき、育って、やがて花が咲いてもやがて枯れていく。花の姿を追うことで、刹那たとえ美しくなっても終わりを告げる女性を思わせる儚いサビの歌詞です。

もともと椎名林檎は「性」というタイトルで本楽曲を製作していたそうで、女性の美しさや儚さを抽象的に描いた歌詞と捉えることができます。

「現実の夢」というのは女性を美しく咲かせた恋でしょうか。夢幻のように感じられる人生の刹那を感じさせる、重い言葉ですね。

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命に対する繊細な感受性

大事な命 壱ツ 壱ツだけ
どうか持っていかれませぬように

出典: 茎/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎