back numberらしさ全開の1曲
back numberは2011年にデビューした3ピースバンドです。
繊細な歌詞とボーカル清水の切ない声にすでに虜になっている人も少なくないのでは。
そう、back numberの魅力は何といっても楽曲の世界観。
恋の切なさ、失恋の苦しさ、好きな人に振り向いてもらえないもどかしさなどを歌った曲たちは、その1曲で映画でもできるんじゃないかと思うほどに作りこまれています。
今回ご紹介する「浮ついた気持ち」もまさにそんな曲。
人の心の弱さや、醜い部分も歌い上げる1曲です。
浮ついた気持ち
苦々しさ100パーセント
先ほどもご紹介しましたが、「浮ついた気持ち」は2010年に発売された1stアルバム「あとのまつり」に収録された1曲です。
2009年に発売されたミニアルバム「逃した魚」と、この「あとのまつり」はインディーズ時代の作品です。
まだ人気が出る前の1曲ではありますが、ファンの中でも人気のある曲です。
初期の曲は最近の曲に比べてダークなものが多いとか。
確かに、この曲は重い、重すぎる。
覚悟して、歌詞を読み解いていきたいと思います。
浮ついた気持ち=浮気をした男の歌
一言でこの曲を説明するならば、浮気した男の懺悔。
軽い気持ちで流されて、彼女以外の人と関係を持ってしまった。
彼女に白状しないと、と思いながらも流されて言えない。
そういや昔、俺も裏切られたことあったよな。
あんとき辛かったよな。
今から彼女もそんな想いするのかな。
どこか自分の事じゃないような、上の空な独り言のような曲です。
「あの時」はどの時?
そうか僕の心はきっとあの時に死んでしまっていたんだ
だからこんなにも綺麗なものを綺麗と思えずに
君の目さえ見られずに
出典: https://www.uta-net.com/song/158080/
冒頭から自己否定。
浮気をしたことを彼女に言おうと思いながらも「このキスが終わったら話そう」なんて。
その場の雰囲気に流されてしまっているのがこの曲の主人公です。
浮気もその場の雰囲気で流されて…の過ちだったのではないでしょうか。
どことなく冷めている僕は「心が死んでいる」と自覚しています。
では心が死んでしまったのはいつ?
それは僕自身がかつての彼女に裏切られた時。
彼女に会う前から僕の心はもう死んでしまっている。
だから仕方がないんだ、とでも言うつもりでしょうか。
体中の何かが逆流して目の前が真っ白になったんだ
そうだ僕も同じ事されたっけ 君じゃなくて前の彼女に
体中の何かが逆流して目の前が真っ白になったんだ
出典: https://www.uta-net.com/song/158080/
おそらく僕の心が死んでしまったのはこの時でしょう。
そして自覚します。
「君の間違いの上で誰かが腰を振ってて
ゆらゆらただぼんやりその風景を眺めていたあの時
君の魂はきっと汚れてしまったんだよ」
ああそうか 今目の前の君は
これからあんな気持ちになるのか
出典: https://www.uta-net.com/song/158080/
前の彼女のことを責めた言葉がそのまま自分に返ってきました。
そして彼女はあの時の僕と同じ。
あんなみじめで、辛くて、心が死んでしまうような想いを、これからするのです。