いきものがかり【チキンソング】
楽曲について
【チキンソング】はいきものがかり9枚目のアルバム「WHO?」に収録された楽曲です。
2021年3月31日にリリース、同曲の作詞作曲はボーカルの吉岡聖恵さんが担当しました。
いきものがかり特有の明るくポップなサウンドはリスナーに元気を与えてくれます。
吉岡さんが注目してほしいと語る、男子メンバー水野さんと山口さんのコーラスも必聴です。
【チキンソング】はモデルの谷まりあさん出演のABC-MARTのCMソングとしても起用されました。
歌詞について
【チキンソング】はチキンな心を励ましてくれる応援ソングです。
なかなか素直に自分の想いを伝えられないときはありませんか?
言ったらなんて思われるのか、嫌われたりしないか不安になってしまうことは誰もが経験あるでしょう。
でも自分の想いは、口に出して伝えないと相手には一生届きません。
お茶目な歌詞になんだかクスッと笑えて良い意味で気が緩むでしょう。
気を張らずに自然体で、大切な人へ大切なことを伝えたくなる楽曲になっています。
弱気なヘタレ
勇気が出ない
肝心なことが言えない 真夜中になっても
肝心なことが言えない 口が裂けても
出典: チキンソング/作詞:吉岡聖恵 作曲:吉岡聖恵
「the・チキン」ともいえるヘタレが前面に出ている歌詞から歌は始まります。
告白が成功しやすい時間というものがあることをご存知ですか?
夕ご飯から眠るまでの時間、人は1日の中で最もリラックスできる時間なのです。
この一番気持ちの緩む時間帯がまさにアタックチャンスともいえるでしょう。
「真夜中」は気持ちを伝えやすく、報われやすい時間帯でもあるのです。
しかしチキンな自分は「真夜中」になってもちっとも勇気が湧いてきません。
この気持ちを口にすることなんて絶対に出来ないと思ってしまっています。
いつも何も出来ない
弱さの塊みたいな自分がキライ
チキンよりもチキンな自分がキライ
コトコトに煮込んで スープに溶けちゃった
かたちない なさけない
出典: チキンソング/作詞:吉岡聖恵 作曲:吉岡聖恵
なぜヘタレな心を「チキン」と表すのでしょうか。
正解は英語の辞書にも載っています。
英語の「chicken」は「鶏」という意味の他に俗語として「臆病者」という意味を持ちます。
このことから「臆病者」=「チキン」と呼ばれるようになったのですね。
この部分の歌詞ではまさに「鶏」と「チキン(自分)」を掛け合わせています。
言いたいことをいつも飲み込んでしまうヘタレな自分に嫌気がさしているのが読み取れるでしょう。
弱い自分はいつも周りに取り込まれて流されてしまうのです。
すぐに飲み込まれてしまうような意志の弱さに自分で自分が情けなくなってきます。
あまのじゃくな心
感情が交錯する
大好きだとか 大嫌いだとか
あっちいけ あっちいけ
大好きだとか 大嫌いだとか
愛してる 愛してる
出典: チキンソング/作詞:吉岡聖恵 作曲:吉岡聖恵
本当は大好きなのに上手く気持ちを伝えることが出来ません。
そんなチキンな自分に嫌気が差して「いっそのこと大嫌いになりたい」と思うのです。
「大好き」と「大嫌い」という真逆の感情がグルグル自分の中で交錯しているのでしょう。
だんだん考えることが嫌になってきて、この気持ちを放棄してしまいたくなる様子が窺えます。
しかし最後の行に綴られているのは前向きな愛の言葉です。
一周回って「やっぱり好き」だということが読み取れるでしょう。
心さえも素直になれない自分が少しだけ愛おしく思えてくる歌詞になっています。