ササノマリイ

ねこぼーろからササノマリイへ

【共感覚おばけ/ササノマリイ(ねこぼーろ)】「愛情表現」とは?深すぎる歌詞の意味を徹底解釈!MVありの画像

2009年、「ねこぼーろ」としてニコニコ動画にオリジナルの楽曲を投稿し始めたササノマリイ。

その楽曲の魅力から、ぼくのりりっくのぼうよみDAOKOといったニコニコ動画のスーパースターに次々にカバーされます。

その後、2014年より本人歌唱による歌手活動「ササノマリイ」をスタート。

2016年11月、ファーストシングル「タカラバコ」をリリースしメジャーデビューを果たしました。

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共感覚おばけ

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2015年7月にリリースしたアルバム「おばけとおもちゃ箱」に収録されたナンバー。

受賞

今作のMV、独特のタッチで描かれたキャラクターを切り絵で表現した、アナログかつとんでもなく凝った作品に仕上がっています。

ご覧になった方はきっと、ついつい魅入ってしまったのではないでしょうか?

それもそのはず、今作、ミュージックビデオとしてではなく「短編アニメーション作品」として、

アヌシー国際アニメーション映画など、海外の数々の映像・アニメーションフェスティバルで入賞しているのです。

もはや映像作品の域、ということです。

では、その物語を詳しく紐解いていきましょう。

ストーリー

主人公は羊のような魔法の角を持った男。

彼はある日、美しい髪の女性に恋をします。

彼女を欲しいと思った男は、やみくもにその姿を追って、何とか捕まえます。

しかし彼女は鳥に姿を変え、飛び去ってしまいました。

そこで男は、魔法の角の力を使って鳥の翼を作り上げ、彼女を追いました。

その姿は少しいびつでしたが、構ってはいられません。

早くしなければ彼女は、遠く遠く触れられない距離まで逃げて行ってしまいます。

その後も彼女がウサギになれば自分には馬の脚を、魚になれば尾びれを、というように、次々に自分の姿をゆがませていく男。

様々な動物を飲み込み、ついには地球までも飲み込んだその姿は、もはや怪物以外の何物でもありませんでした。

そうしてやっと彼女に辿り着いた男でしたが、歪み切った体が重く、彼女に触れることは叶いません。

それどころか大きくなりすぎた彼の力によって、世界は崩壊してしまいました。

男がもう一度世界をやり直した時、彼女の姿はもうそこにはありませんでした。

歌詞

歌詞

まずはタイトルから。

“共感覚”とは本来、ある刺激に対してそれ以外の感覚でも反応することを言います。

具体的に言えば、文字を見て色を感じたり、音を聞いて味覚を感じたりするようなことです。

ですが、この歌詞での“共感覚”とは、共感、つまり相手の気持ちに同調したり、

相手の気持ちをわが物のように感じたりする感情のほうも言っているような気がします。

共感しすぎて“自分”というものを見失ったお化け、という意味ではないでしょうか。

正解を探して

等間隔で並んだ
正解と不正解の上
目が廻る

出典: 共感覚おばけ/作詞:ササノマリイ 作曲:ササノマリイ

この世界には、様々な正解と不正解があり、そのほとんどが流動的です。

具体的に言いかえましょう。

例えば美人の定義。

現代では、すらりとした身体つきで、目鼻立ちが整い、美しい肌と髪のひとを「美人」と呼びます。

しかし平安時代ではどうでしょう。

当時はふくよかな体型が富の象徴であり、ひいては可愛らしさ、愛らしさの象徴とされていました。

顔つきも、小さな眉やおかめ顔と呼ばれるしもぶくれの、柔和な顔つきが褒められました。

つまり、ひとの美醜における「正解」は、時代によって大きく変わるのです。

だからこそ、今の正解とは一体何だ?ということで人は頭を悩ませます。

空気を読む、なんていう言葉が流行りましたが、それと近いものがあるでしょう。

今この瞬間に正解を出すこと、それこそ正しく“共感”できているかどうかの判断材料です。