共感覚で学んだ
感情表現 あやとり
ぐるぐる
出典: 共感覚おばけ/作詞:ササノマリイ 作曲:ササノマリイ
たとえばA子ちゃんが失恋したと打ち明ければ、B子ちゃんはいかにも悲しそうな表情で話を聞き、たくさん頷き、時には涙まで流して見せました。
そうするとA子ちゃんは、とても嬉しそうにしていたのを主人公は覚え、感情表現を覚えていったのです。
こんな時はこういう反応するのが正解なんだ。
そんな正解のサンプルをたくさん集め、コミュニケーションを学んでいった主人公。
それはさながら、あやとりの技のように、決まった手順と形があるものでした。
間違いを
消すように 壊すように
ないしょないしょで 君の底へ
「愛情表現」て言う いつも
出典: 共感覚おばけ/作詞:ササノマリイ 作曲:ササノマリイ
そんな主人公は、初めて恋をします。
恋とは、相手の心に誰よりも近づくこと。
そんな感情のサンプルを、彼は持ち合わせていませんでした。
間違わないように、慎重に言葉を選ぶ主人公。
それは初めての感覚でした。
泣くように 笑うように
態度で示す 言の葉達
適当なんでしょう?
だと いいね
出典: 共感覚おばけ/作詞:ササノマリイ 作曲:ササノマリイ
まるで共感覚のように、言葉に形を感じるようだと歌う主人公。
恋をした相手のため、好きだと思った誰かのため、次々と形を変える自分の感情。
それはまるで、MVの中で次々に形を変え、醜くなった男のようです。
閉ざしたって波形は
表情になって僕を笑うよ
出典: 共感覚おばけ/作詞:ササノマリイ 作曲:ササノマリイ
自分の、相手の感情の形はまるで波のよう。
まるで自分を嘲笑っているようにすら感じます。
ところで僕等
「何も言えなくて」
とか言うよ
曖昧に
刺すように 塞ぐように
ないしょないしょで 今の形
「伝統工芸」て言う 嘘です
出典: 共感覚おばけ/作詞:ササノマリイ 作曲:ササノマリイ
相手を理解するために交わす言葉。
しかし人はウソをつく生き物であり、恋をすればなおさら裏腹なものです。
泣きながら喜んだり、怒りながら愛を伝えたりもするものです。
生まれてから今まで幾度も繰り返し、失敗し、経験をして、自分だけのコミュニケーションの形を手に入れた主人公。
それはさながら伝統工芸のようです。なんてね。
今見える 音の色
今触れる 君の色
出典: 共感覚おばけ/作詞:ササノマリイ 作曲:ササノマリイ
音に色があるように、君の言葉には君だけの色があるように感じる。
そんな、ふたりの間だけの特別なコミュニケーションです。
共感覚おばけだった彼は、そんな経験から解き放たれたのかもしれません。
そう感じるだけかもしれませんが。
コミュニケーションって、永遠に難しいものかもしれません。
終わりに
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