勇気りんりんを解説
日本のみならず世界でも知られている国民的アニメ、アンパンマン。
誰に対しても優しく、勇敢な彼は子供たちのヒーローです。
ここまで永続的な人気を誇るキャラクターは他にないでしょう。
本記事ではそんなアンパンマンの楽曲「勇気りんりん」を解説していきます。
今回は様々な要素の中でも歌詞に注目。数多くの登場人物が出てくる所が特徴です。
こちらでは歌詞に出てくる順番に1人1人詳しくご紹介していきます。
アンパンマンと仲間達の世界を覗いてみることにしましょう。
1番の歌詞を解説
鈴って何者?
勇気の鈴が りんりんりん
ふしぎな冒険 るんるんるん
アンパン しょくぱん カレーパン
ジャムバタチーズ だんだんだん
出典: 勇気りんりん/作詞:やなせたかし 作曲:三木 たかし
まず注目したいのは「鈴」についての表現です。
歌詞の内容から分かるのは、音が聞こえると自然と勇気が湧いてくるということ。
また2行目の描写からは、冒険を呼ぶ鈴だと捉えることもできます。
では勇気が出る鈴とは一体どんなものなのでしょうか。
作品の中でよくあるアンパンマンの行動を具体的に思い出してみましょう。
彼は助けを求める声を聞いて、仲間を助けに向かいます。
この声をきっかけに冒険が生まれ、勇気あるアンパンマンの行動を目にするわけです。
したがって、本記事ではこれを仲間が助けを求める声ではないかと考えます。
彼自身も仲間の声を原動力にして勇気をもらっている、という解釈も可能です。
いずれにせよ、アンパンマンやその仲間達と密接な関係を持つ鈴であることは確かでしょう。
対して後半では、キャラクターを連想させるパンの描写が続きます。
仲間達が登場
ルンルンかわいい おむすびまん
ゴシゴシみがくよ はみがきまん
出典: 勇気りんりん/作詞:やなせたかし 作曲:三木 たかし
前項ではキャラクターは思い出すものの、名称の羅列だけで終わっていました。
ここからは名前だけでなく、具体的なキャラクターの特徴が分かります。
最初に登場するのは「おむすびまん」です。おむすびまんは旅が好きな男の子。
アンパンマンと共に悪いやつをやっつける、正義のヒーローです。
このような普段の彼の様子が冒頭の1文に表現されています。
次に出てくるのは「はみがきまん」。彼はみんなの虫歯を直してくれる存在です。
名前の前に書かれた紹介文は、仲間の歯の健康を守る彼の言動を描写しています。
どちらにも共通するのは肯定的な表現で説明していること。
アンパンマンを助ける味方だからこその表現といえるでしょう。
子供向けならではの工夫とは
めだまが らんらん ばいきんまん
それいけ ぼくらの アンパンマン
出典: 勇気りんりん/作詞:やなせたかし 作曲:三木 たかし
サビでは主要キャラクター2人が登場します。
憎めない敵として有名なバイキンマンと、主人公であるアンパンマンです。
ここまでご紹介した歌詞の中で、皆さんは本曲のとある特徴に気が付いたでしょうか。
それはタイトルにも含まれている、擬態語や擬音語が多用されていることです。
全体的に頻出していますが、特にキャラクターの特徴を紹介する際に登場しています。
これほどたくさんのオノマトペを使用する理由。それは分かりやすさだと考えられます。
アンパンマンは言わずと知れた子供向けアニメです。
そのため短い文章で子供に伝わりやすい言葉を探す必要があります。
それが擬態語や擬音語だったというわけです。
また作詞者の視点に立った別の解釈も考えてみましょう。
子供に刺さる、歌いたくなるような歌詞作りを念頭に置いた結果と捉えることができます。
2番の歌詞を解説
チーズの存在
名犬チーズ わんわんわん
出典: 勇気りんりん/作詞:やなせたかし 作曲:三木 たかし
こちらの歌詞では普段のキャラクター紹介と違うポイントがあります。
それは説明の順番です。
これまでは特徴→名前の順で紹介されていました。
しかし今回は名前→特徴の順になっていて、順番が逆になっています。
この表現が採用されているのは、後にも先にもチーズだけです。
こちらの歌詞だけ規則性が崩れたのは一体何故でしょうか。
チーズは普段パン工場に住んでいますが、元々はアンパンマンが助けた仲間の1人。
アニメでも登場回数の多い主要なキャラクターです。作品には欠かせない名脇役。
彼の存在を強調して伝えたかったのではないかと考えることができます。