THE YELLOW MONKEY「砂の塔」の歌詞に隠された意味は？MVに登場する坂ノ上茜が...!

坂ノ上さんは中学2年生の時に受けたオーディションに合格した後、勉強の傍ら女優を目指し、2015年にデビューした女優です。このMVでは何かちょっと怖いものに巻き込まれているという設定です。しかし故郷の熊本から上京する中で等身大の自分を演じたいとがんばっているそうです。

どんな願いも叶う愛の城。

それはどこかの世界の頂点だと考えられます。 城とは国王や殿様が住むものです。しかし現代的にそれは高級マンションであるのかもしれません。 後者の読み解きはドラマの内容にも重なる部分です。

しかし周囲の人間の笑みは本物の微笑みではなく、ハロウィンのパンプキンのような 奇妙な微笑みです。 踊っている、踊らされている人間の破滅を願うような微笑み。 筆者はそういう微笑みを想像します。

『砂の塔』は菅野美穂主演の「砂の塔〜知りすぎた隣人」の主題歌です。

この人は何を探しているのでしょうか？ 目の前には砂嵐しかありません。 喜びもすぐに埋もれ 幸せも裏切りも近くにある状態。 疑心暗鬼という言葉がふさわしいでしょう。 そして上に行くほどその象徴としての塔は傾いていて安定していない。 いつ転落するかわからない恐怖がそこにあります。

世界中の国王も王様もあるいは高層マンションの住人も、 自分のための頂上を目指します。 でもその下にははやく落ちてこないかなとみている者たちがいるのです。 ここに人々の羨望と嘲りをみることができると思います。 上に立つ人間はみられているのです。

この歌詞にTHE YELLOW MONKEYの吉井和哉という人が辿り着いた人生観が宿っていると思います。 実際に日本のロックの頂点に立ち、栄華の中で解散をした吉井。 彼は何をみたのか？ あるいは頂点を極めた人は何をみたのか？ 僕自身は想像するしかありません。

「ジギー・スターダスト」とは虚像です。ロックスターであり、でも架空の存在です。 正式にはそのアルバムのタイトルは『屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群』です。 火星のことはよくわからないのですが、屈折する星屑の上昇と下降というのは、 頂点にたったロックスターとその転落と言いかえてもいいかもしれません。 これはあくまで個人的な解釈ですが、芸能というものを戯画化したデビッド・ボウイのアートなのです。 その魂を受け継ぎ、栄華を極めたTHE YELLOW MONKEY。 その復活の物語に感動します。

THE YELLOW MONKEYが『ZIGGY STARDUST』をカバー。必聴です。

西洋、そしてデビッド・ボウイに憧れた人々。 その結実としてTHE YELLOW MONKEYの音楽は響いています。 もうそこには本物のロックが宿っていると言うことができると思います。 しかし本物の幸せは、砂の塔にあるのではなく、 愛にある。 歌われている音楽の余白からそういうことが感じられます。