躓いて、転んでたら置いてかれんだ
泥水の中を今日もよろめきながら進む
出典: 全力少年/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
「全力少年」というタイトルが付いているこの曲ですが、内容は大人になってからの日々の葛藤が歌われています。
大人になって社会に出て会社に勤めると、学生の時とは違って少しでもミスをすれば、世間の流れからはどんどん置いていかれてしまいます。
それほど世間の流れは早く、日々は忙しないものです。
それでもしっかりとその流れから離されないように、たとえそれが進みづらい泥水の中でも闘いながら進んでいかなければなりません。
汚れちまった僕のセカイ 浮いた話など無い
染み付いた孤独論理、拭えなくなっている
出典: 全力少年/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
そんな風に人に合わせて、そして、世間に合わせて進んでいると、自分の本来のペースや夢を見失いがちになってしまいます。
つまりついていくことだけに精一杯になっていて、恋愛をする余裕や趣味を嗜む余裕が無くなってしまうのです。
そうすると孤独でいることにも慣れてしまいます。
そんな様子を「孤独論理」と表現しているわけですが、この言い回しにスキマスイッチ節が存分に発揮されていることに気付いたでしょうか?
「別に孤独でも構わない」という意味を含ませた「孤独論理」という言葉ですが、「論理」を片仮名にすると「ロンリ」となり、さらには歌っているのを聴くと「ロンリー」と聴こえます。
つまり「孤独」と同じ意味の「ロンリー」を掛けているわけです。
試されてまでもここにいることを決めたのに
呪文のように「仕方ない」とつぶやいていた
出典: 全力少年/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
会社に入るためには就職試験が必要になります。自分で選んだ道を進むためには「試される」ことが必要なのです。
これは学生の時も同じで高校や大学に入る時にも試験は必要になります。
しかし、学校も仕事も試験まで受けて進んだ道のはずなのに、理不尽なことがあったり、行きたくないなと考えてしまうことは誰にでもあるのではないでしょうか。
それでも自分で決めた道なので「仕方ない」と呟きながらも進んでいかなければいけないのです。
積み上げたものぶっ壊して 身に着けたもの取っ払って
止め処ない血と汗で乾いた脳を潤せ
あの頃の僕らはきっと全力で少年だった
セカイを開くのは誰だ?
出典: 全力少年/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
そんな風に「仕方ない」と諦めながら生きていく人生は決して充実したものにはなりません。
試験を受けても、今の安定した環境があっても、それでは物足りない人生になってしまいます。
自分が幼かった頃を思い出してみてください。何も考えずに無邪気に夢を追っていた頃を。
「少年」という肩書きを全力で全うしていたのではないでしょうか。
このように夢のためなら夢中になれた幼かった頃と今を比べ、もっと全力になって生きていかないといけないと気付き、今の自分を全うしたいという決意の感じ取れるサビになっています。
遊ぶこと忘れてたら老いて枯れんだ
ここんとこは仕事オンリー 笑えなくなっている
出典: 全力少年/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
仕事ばっかりの人間になってしまうと、気付いたら仕事に追われたまま一生を終えてしまうかもしれません。日本人は特に勤労精神の強い人が多いのではないでしょうか。
もっと色んな感情を吸収し、人間として成長し生きていくためには遊ぶことや休むことも時には必要だと警鐘を鳴らしています。
そして、「置いてかれんだ」と「老いて枯れんだ」や「論理」と「オンリー」など1番を踏襲して韻を踏んでいる歌詞も楽しむことができます。
ガラクタの中に輝いてた物がいっぱいあったろう?
「大切なもの」全て埋もれてしまう前に
出典: 全力少年/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
子どもの頃に「何でそんなもの集めるのか」と親に怒られるようなものを集めていた経験はありませんか?
それは落ちていた石だったり、壊れたおもちゃだったり、ビンの蓋だったり、大人から見たらガラクタでもキラリと光る何かをそこに見出だしていたはずです。
そんな風に見かけで判断するのではなく自分が大切だと思うものや心が動いたものを忘れてはいけません。
さえぎるものはぶっ飛ばして まとわりつくものかわして
止め処ない血と涙で渇いた心臓潤せ
あの頃の僕らはきっと全力で少年だった
怯えてたら何も生まれない
出典: 全力少年/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
大人になってしまうと、色んなしがらみや制限の中で生きることになります。それが社会というものではないでしょうか。
しかし、それにがんじがらめにされて、身動きを取らないとそれこそ老いて枯れていく一方です。
恐れずに行動に移していこうという勇気をもらえる歌詞になっています。
澱んだ景色に答えを見つけ出すのはもう止めだ!
濁った水も新しい希望(ひかり)ですぐに透み渡っていく
出典: 全力少年/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
ここまで進んできた泥水の中でも、仕方ないと諦めながら進んでいれば、この道も間違いではないと思うことはできるかもしれません。
しかし、それは自分の本当の心に嘘をついてはいないでしょうか。
自分の心の赴くままに進んでいくことができれば、泥水の中に意味を見出だすのではなく、その水自体を希望のある色に変えていくことができるのです。
積み上げたものぶっ壊して 身に着けたもの取っ払って
幾重に重なり合う描いた夢への放物線
紛れもなく僕らずっと全力で少年なんだ
セカイを開くのは僕だ
視界はもう澄み切ってる
出典: 全力少年/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ