「22歳」ってどんな曲?

谷村新司氏が歌う「22歳」は切ない女性の心の機微を歌った楽曲ですが、歌詞の詳細は後述しますので、まずはこの楽曲の基本情報を見ていきましょう。

「22歳」の基本情報

「22歳」は谷村新司名義での9枚目となるシングル作品で、1983年にリリースされた楽曲です。

売上は27万枚を越え、谷村氏が作る楽曲の世界観を世間的に広めた楽曲でもあります。

谷村氏が堀内孝雄氏などと組んでいた“アリス”はどちらかというと男っぽい楽曲を歌うことが多かったように思います。

女性の心の機微を歌ったこの楽曲は谷村氏の歌詞の幅を広げた作品とも言えます。

下に「22歳」を歌う谷村氏の動画を貼り付けているので、まだこの楽曲を聴いたことがないなという人はぜひチェックしてみてくださいね♪

夏の終わりから秋・冬にかけて聴いたら心が凍えそうなくらい切ないです。

22歳
谷村新司
POLYSTAR SONGS
販売価格 ¥150(2017年12月27日22時41分時点の価格)

“22歳”はターニングポイント?

谷村氏の「22歳」だけでなく、アーティストの中には22歳という年齢にスポットを当てて楽曲を作っている人が結構います。

今回は、中でも有名な楽曲として、伊勢正三の「22歳の別れ」Taylor Swiftの「22」をご紹介しておきます。

伊勢正三の「22歳の別れ」は谷村氏の「22歳」がリリースされた時代とほぼ同時代の曲(リリースは「22歳の別れ」が10年ほど先)です。

当時の22歳は今よりもずっと大人だったのでしょうか……どちらの楽曲も登場する22歳の女性は非常に大人な感じがします。

一方でTaylorの歌う「22」はポップでキュートな感じの22歳の女の子が主人公です。

現代の22歳の女の子っぽさがとってもよくわかる曲ですよね。

1980年前後の22歳が“女性”だとすると、現代の22歳は“女の子”と表現するのがぴったりに思えます。

こちらは谷村新司氏と同世代アーティストである伊勢正三氏の歌う「22歳の別れ」です。

世界のディーバも“22歳”について歌っています。

Red (Deluxe Edition)
Taylor Swift
Universal Music LLC
販売価格 ¥2,000(2017年12月27日22時46分時点の価格)

「22歳」の歌詞を徹底的に紐解いてみる!

さてここまでに「22歳」の基本情報や、色々なアーティストが歌う“22歳”というモチーフについてみてきましたが、ここからは気になる歌詞について考えていきます。

基本的に「22歳」は失恋を歌った楽曲ですが、その世界観は本当に大人っぽくて切ないんですよね。

それではいよいよ歌詞を紐解いていきましょう!

目に浮かぶ別れの情景

白いシーツをまきつけ 背中でサヨナラの
悲しい別離を感じてた 窓の外は光る海
やさしさとか愛だとか 綺麗な言葉など
信じれる程 若くない それは知っていたけれど

出典: 22歳/作詞:谷村新司 作曲:谷村新司

2人で迎えた幸せな朝のはずなのに、背中からうかがい知れるのは別れ(別離)の予感……これは何とも切ないですよね。

2人の心が鈍色であるのとは対照的に、窓の外は光る海が見えています。

海のキラキラ感と2人の雰囲気の淀んだ感じが大変明確なコントラストになっていますね。

光る海に“美しい世界”を見出すのに、目の前にある自分たちの状況はその美しい世界に入る余地もないほど荒んでいるというのも悲しいです。

やさしさや愛を信じられないほどに傷んでしまった心を抱えてしまったら、たとえ22歳であっても“もう若くない”と言いたくなるかもしれませんね。

22歳になれば少しずつ 憶病者になるわ
何故かわかる? 貴方
私の髪の煙草の匂い 消えるまでの思い出ね
私の髪の煙草の匂い 消えるまでの思い出ね

出典: 22歳/作詞:谷村新司 作曲:谷村新司

現代の22歳を考えると、みんなまだまだ若くてキラキラしている感じがします。

しかしこの楽曲の22歳の女性は、22歳は少しずつ臆病さを感じてしまう年齢だと言っています。

22歳で大人の恋愛をいくつも経験してきたら、確かにもう若くないと思ってしまうのですかね……。

この楽曲に登場する女性はきっと年上の彼と付き合っていたのではと思うのです。

その彼との思い出も、彼女の髪に染みついた煙草の匂いが消えれば忘れてしまうと言います。

どのくらい彼女が彼と交際していたかはわかりませんが、髪に彼の煙草の香りが染みつくほどの期間ですから、きっとそんなに短くはないはず。

彼女はこの悲しい別れを越えて、次の恋をした時、きっとまた長く付き合うであろうことに躊躇しているのかもしれません。

22歳の失恋の後、元カレを忘れて新しい人と真剣に恋をしようとすると、少し期間が空きそうですからね。

そうすると彼女は25歳くらいになっていて、次の恋愛では“一生”を考え始めてしまうのかも

これを踏まえると、確かに22歳頃から先の恋愛を考えると臆病者になるというのもわからないでもない気がします