「痛み」と「ときめき」の間で揺れる主人公

(※1)ふわり、色めく花 手折(たお)って
ひらり、差し出す手が触れて
めまいの自鳴琴(オルゴール)なの 空が廻るよ

出典: ふわり、恋時計/作詞:井筒日美 作曲:星部ショウ

「手折る」とは、花や枝を手で折って取るという意味です。

過去の恋人によって、自分の心(=色めく花)を傷つけられた(=手折られた)主人公。

しかし、そんな主人公に対して「君」は優しく手を差し出してくれている。

「過去の痛み」「新たなときめき」の間で、主人公の心は激しく揺れています。

そんな複雑な乙女心を「めまいの自鳴琴(オルゴール)」という言葉で表現しているのでしょう。

「君」に近づくことを選んだ主人公

(※2)二度と傷つきたくないって
心ウラハラさみしくって
紅を差す 君だけに見られたくて…
恋時計チクタク動き出した

出典: ふわり、恋時計/作詞:井筒日美 作曲:星部ショウ

恋愛で傷つくのはもうご免だと思っている主人公。

しかし、その一方で「誰かに心を癒してもらいたい」と思っているのでしょう。

散々悩んだ結果、主人公は「君」に近づくことを選びます。

魅力的な自分を見せるために、メイクも妥協しません。

主人公の積極的な行動により、主人公の恋物語は動き出したのです。

2番~ラストの歌詞

好きな気持ちが態度に出ている主人公

しのぶれど咲き匂う
友達にもばれてる?
毎日の星占い
いいとこ取りも虚しい

出典: ふわり、恋時計/作詞:井筒日美 作曲:星部ショウ

「しのぶれど」とは「こらえても」という意味です。

「君」のことが好きすぎて、どんなに隠しても態度に出てしまう様子を描いているのでしょう。

どうやら周りの友達も、主人公の恋心に気づいているようです。

毎日放送されている星占いを気にしている主人公。

ラッキーアイテムなどを身につけても、なかなか思うように進展しません。

傷が癒えるまでは恋をしないと決めていたのに…

かさぶた剥がれぬまま
うたかたになるのなら
恋はしないと決めた
なぜに出逢った

出典: ふわり、恋時計/作詞:井筒日美 作曲:星部ショウ

「かさぶた」というのは、過去の恋愛によって受けた心の傷を指しているのでしょう。

過去の恋愛の傷が癒えない間は、恋をしないと決めていた主人公。

しかし、心の傷が癒える前に、主人公は「君」と出会ってしまったのです。

完全に立ち直ってから「君」と出会えていれば、もっとスムーズに恋愛できたのに…。

といったモヤモヤした気持ちが、ここで描かれていますね。

誰にでも優しくする「君」に少しがっかり

誰にでも優しくて
思わせぶりは 罪ね
春風そぞろに舞う

出典: ふわり、恋時計/作詞:井筒日美 作曲:星部ショウ

「君」はどうやらとても優しい人間のようです。

主人公だけではなく、様々な人に優しく接するタイプなのでしょう。

そんな「君」の様子を見て少しがっかりする主人公。

"自分に気があるから優しくしているのだろう"と思っていたのに、そうではなかったようです。

「そぞろ」とは、そわそわしている様子のことを指します。

春風に吹かれながら、心をかき乱している主人公を描いているのでしょう。

素直に自分の本心を伝えられない