「ホログラム」の歌詞について独自解説!~1番~

今回この記事にてご紹介させていただきます曲は、NICO Touches the Walls楽曲ホログラム」です。

歌詞の解説を始める前に、英単語「hologram(ホログラム)」の意味について簡単に説明いたしましょう。

従来の「写真」や「動画」というものは、2D(二次元)のものしかありませんでした。

それが近年の技術の発達により、3D(三次元)のものとして立体的に再生できるようになったのです。

これこそが「ホログラム」!SF映画などでよくみられるものですね。

さて、このような現代的なネーミングにした本曲の歌詞はどのようなものなのでしょうか。

早速歌詞の独自解説を始めて参りましょう!

なお、本曲の作詞・作曲はともにボーカル&ギターの光村龍哉が担当です。

「白色」に飛び込む

真っ白な景色にいま誘われて
僕は行くよ まだ見ぬ世界へ

出典: ホログラム/作詞:光村龍哉 作曲:光村龍哉

「白」という色からはどのようなイメージが浮かび上がってくるでしょうか?

紙でいうと「白紙」の状態であり、そこからは鉛筆やクレヨンなどによってさまざまに彩ることができます。

これから先の無限の可能性を秘めているのが「白紙」という状態ということになりますね。

また、赤色、青色、緑色は光の3原色といわれ、この3色の光を同時にバランス良く当てることでできるのが「白色」光。

歌詞の1行目にでてくる景色というのは、あまりに光が強く眩しいがために見えない世界なのではないでしょうか。

輝かしい宝のようなものが数多く存在する未知の世界への誘い。

その輝きは、まるでディスプレイから放たれているホログラムの光のようです。

「鼠色」にさまよう

迷子のまま旅していた 鼠色の空の下
日替わりの地図 いくつもの夢が滲んでいた
いつかはさ ちっぽけな僕のこの歩幅でも
あの雲の向こうまで行けるかな

出典: ホログラム/作詞:光村龍哉 作曲:光村龍哉

YesかNoか分からない状態や、セーフかアウトか際どいゾーン。

これらのようなはっきりとしない物事の様子は「グレー」という色で表現されることがしばしば。

「灰色」や「鼠色」とも言い換えられるこの色は、心理的にどこか「不安」である状況を暗に示しています

天気でいうと曇り、もしくは今にも雨が降りそうなどんよりとした空模様でしょうか。

空や先が見えない閉鎖的な空間からの脱出を望む主人公の姿が想像できます。

きっかけ

強がって キズついた心透かしたように
降り出した雨粒たちが 乱反射繰り返す

出典: ホログラム/作詞:光村龍哉 作曲:光村龍哉

灰色の世界から道を間違え、黒色の世界へと足を踏み入れてしまったとき。

これは天気に例えると、晴れることを願っていたのに雨雲がそのまま降水をもたらしたということになりますね。

雨粒に侵入したわずかな日光は、屈折と反射を繰り返すことで我々に様々な色を見せます。

屈折の度合いにより、白色だけでなく虹色に光って輝くことも!

光の速さは他のどんなものよりも速い秒速30万kmであり、瞬く間に世界の色を変えてしまったことでしょう。

その光の反射する方向はアトランダムで、主人公の胸元にも光線が…。

まばゆい光は罪の意識もなく、彼の心の内部の闇を照ら出します。

お前は本当にそのままでいいのか?

そんな神様からのメッセージでしょうか。

偶然か、必然か

真っ直ぐな光が交差して
行く先も告げぬまま どこまでも突き抜ける
淡い残像 両眼に焼き付けて
届くはずなんだ まだ見ぬ世界へ

出典: ホログラム/作詞:光村龍哉 作曲:光村龍哉

3D映画などで使われる「3D(立体)メガネ」の原理をご存知でしょうか。

右目と左目で見える世界には、その位置の違いからわずかな「ずれ」というものが存在しています。

それは「視差」と呼ばれるもので、この「視差」を利用したものが3Dメガネ。

右目の視線と左目の視線のクロスする位置が近いか遠いかによって相手との距離感が生まれるしくみを応用しています。

この歌詞の1行目の内容は、まるで3Dメガネの進化版ともいえるホログラムの説明をしているようですね。

その光は、ガイド役のキャラクターか何かを映しながらどこまでも主人公の先に進んでいくようです。

「この先には何かがあるのかもしれない」

今まで主人公にとって踏み出す発想さえなかった一歩が自然となされます。

気づけば芽生え、知らぬうちに夢中になり進みを止められなくなっている。

これはまるで、恋や夢のようですね。

「ホログラム」の歌詞について独自解説!~2番以降~