バレッタ 風の中
踊った髪を手で押さえ
バレッタ
太陽が ああ眩しそうに
目を逸らしたのは 君だ
出典: バレッタ/作詞:秋元康 作曲:サイトウヨシヒロ
「バレッタ」の歌詞は、僕が見つめる君についてが書かれています。
バレッタとは女性の髪を留めるときに使うヘアアクセサリーの一つで、開くと蝶のような形をしています。
歌詞の中には髪という言葉が何回も登場するので、髪がきれいな女の子なのでしょう。
図書館で君の様子を見つめる僕は、君に気付かれないようにそっと様子を伺っています。
偶然目が合ったとありますが、じっと見つめていたら目が合うこともあるでしょう。
口の動きをトレースできるくらい見つめているのは、少し怖い気もするくらいです。
歌詞中に出てくる「ヘミングウェイ」というのは、同名のノーベル文学賞を受賞した作家のことを指しています。
彼は「老人と海」などの有名な作品を発表しており、学校の図書室などにも必ず置いてある作家です。
主人公は文学青年なのでしょう。
この歌詞の状況から伝わってくるのは、彼の外交的とはいえない性格です。
だからこそ君に対してうまく声をかけられず、ただ見ているだけなのでしょう。
もしかしたら主人公は「ヘミングウェイ」の本も真剣に読んでいるわけではないのかもしれません。
思春期にありがちな格好つけたいという気持ちから、その本を手に取っているという可能性も考えられます。
君に惹かれる主人公
目が合った時に主人公は動揺しています。
これは見ていたことがバレたことへの恥ずかしさや気まずさもあるかもしれません。
しかしそれ以上に「君」のミステリアスな視線が原因なのではないでしょうか。
「心を見られた」かのようだといっていることからも分かる通り、主人公はそこに何か得体の知れないものを感じたのでしょう。
「バレッタ」というのは蝶の形をしています。
蝶というのはひらひらと優雅に飛ぶ生き物です。
主人公は「君」に対してもその優雅さを感じているのではないでしょうか。
同時に決して真っ直ぐに飛ばない飛び方は私たちから見てどこか不思議にも思えます。
これは「君」のミステリアスさとも共通しているといえるでしょう。
また長い髪がゆらゆらと揺れる様からも、蝶の飛び方を連想しているのかもしれません。
主人公にとって彼女の「バレッタ」が印象深いのは、「君」の雰囲気と「バレッタ」が深くリンクしているからなのでしょう。
「バレッタ」の結末
妄想の出来事
昆虫の図鑑には
きっと載っていないって
思ってた
妄想からロマンスが
ふいに 動き出す
君たちのその企み
状況証拠 並べて
さあ 推理してみようか?
男子でカッコいいのは
誰かと盛り上がってる
そう 僕の視線の先で…
出典: バレッタ/作詞:秋元康 作曲:サイトウヨシヒロ
バレッタ
振り向いて
両手で髪を留めながら
バレッタ
君らしく
いたずらっぽい目で
微笑んだのは
なぜだ?
出典: バレッタ/作詞:秋元康 作曲:サイトウヨシヒロ
もうすでに結論が書かれているのですが、これは僕の妄想の中での出来事なのでしょう。
思春期によくある妄想が題材になっていると思われ、僕のことを何も気にしていない彼女のことを、都合よく頭の中で変換しているように見えます。
彼女からすると何もしていない状態ですが、僕の中ではロマンスが始まっているのです。
僕の方からすると思わせぶりな態度をしているように思いますが、実際には何もしていないというところが切ないですね・・・。
これは学校内での話で書かれていますが、アイドルに対するファンの思いでも当てはめることができるので、ハッとした人もいるかもしれませんね。
また、1行目の「昆虫図鑑」という言葉からも、主人公は本が好きであるということが伝わってきます。
図鑑で彼が確認しようとしていたのは、「君」のしている「バレッタ」が何の蝶をかたどっているのかについてでしょう。
想像で作られているのかと思いきや、図鑑にもちゃんと載っている蝶だったことに驚いているようです。
ミステリアスさが魅力
この歌詞は主人公の主観ではありますが、主人公が惹かれている「君」はどこかミステリアスに思えます。
本心が読めないような、なぜか気になってしまうような存在。
だからこそ、主人公は彼女とのロマンスを妄想してしまうのではないでしょうか。
思わせぶりだと感じてしまうのも、そんな彼女の印象が原因なのでしょう。
ミステリアスといえば、この楽曲のセンターに選ばれた堀未央奈もどこかミステリアスさを感じる存在です。
言動も不思議なところがあり、そして目力が強いというところも楽曲に登場する「君」とよく似ています。
特徴がこれだけ被っているとなると、この楽曲は堀未央奈について描かれていると考えられるでしょう。
この楽曲の歌詞は、秋元康が堀未央奈に当て書きしたものと考えるのが妥当なのではないでしょうか。
秋元康にとって、彼女はとても気になる存在であったのだということが分かります。
そう考えると、「バレッタ」のセンターに堀未央奈が選ばれたのは必然だったといえるでしょう。
意味深なPVと歌詞が話題となった「バレッタ」
2期生の堀未央奈がセンターとなり、意味深なPVと歌詞が話題となった「バレッタ」。
サプライズだった堀未央奈の抜擢も、今や笑い話になるほどになっていますよね。
今後もこうしたサプライズをしてくれることもあるかもしれませんね。
この頃よりもメンバーも増え、大きなグループとなった乃木坂46。
今ではこの頃のメンバーの多くが卒業してしまっていますが、今の乃木坂46の礎を築いた作品の1つといえるでしょう。
まだフレッシュさの残る彼女たちの姿が見られるPVです。
今とは違った雰囲気を楽しむことの出来る作品に仕上がっています。
最近ファンになった方もこれを機会に昔の乃木坂46を振り返ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回ご紹介した「バレッタ」の他にも乃木坂46は沢山の楽曲を発表しています。
彼女たちの楽曲は他にも様々な雰囲気の楽曲があるのです。
別の楽曲を聴くことで、「バレッタ」との違いを感じられることでしょう。
ということで、最後に乃木坂46のオススメの楽曲を紹介して記事を終わろうと思います。
今回は「バレッタ」でセンターを務めた堀未央奈の後輩にあたる、3期生と4期生がフィーチャーされた楽曲を選びました。
是非こちらの記事もご覧になってみてくださいね。