2018年5~6月に開催された"DELTA"ツアー
2018年5月11日から全国9都市を駆け巡り、6月15日の東京マイナビBLITZ赤坂で幕を閉じた"DELTA"ツアー。
海外のワンマンツアーを通じて成長した【D.A.N.】
2017年に行われたロンドンでのライブや年末のワンマンツアーを経験し、大きく成長した【D.A.N.】。
様々なアーティストのスタイルやサウンドを吸収しながらも、独自の音楽性を築き上げることに貪欲なバンド。
瞬く間にファンを獲得していった彼らのライブは、テクノの鳴り響くクラブハウスのような雰囲気が印象的でした。
単独公演では最大規模となる約1200人を動員した"DELTA"ツアー最終公演
2018年6月15日に開催されたマイナビBLITZ赤坂(東京)でのライブ。
単独公演では最大規模となる約1200人を動員し、大盛況で幕を閉じました。
最終公演当日は夏には一足早い梅雨の真っただ中。
ホールの開場と同時に、待ちきれないとばかりに多くのファンがホール内へと押し寄せます。
ライブが始まる前から、会場内へと流れ込んでくるファンの熱気と期待感が印象的でした。
緊張感が漂う静寂が会場を包み込む
ライブ開始時刻を過ぎると、一瞬の静寂がホール内を包み込みます。
その直後、幻想的なブルーの照明が会場内に降り注ぎました。
大きな歓声と同時に、ホール内から湧き上がる泉のようなシンセサウンドが鳴り響きます。
ファンの心の奥底から解放される緊張感をかき集めるかのようなメロディー。
幻想的なChanceのイントロからライブはスタートしました。
ファルセットのきいたボーカルの優しい歌声が響き渡り、会場内を温かく包み込んでいきます。
続いて体が勝手に動き出してしまうようなSundanceへと曲が移っていきました。
青い閃光が会場内を照らし、会場の一体感がどんどん増していきます。
周りのファンたちとこの幻想的な時間を過ごしている高揚感に包まれていくのを感じました。
高揚感から癒しの空間へ
ライブも中盤に差し掛かり、少し曲調もクールダウンしていきます。
高揚的なダンスサウンドから、少し切なさが滲むイントロから始まるNavyが始まります。
まるでステージ上のメンバーのファンたちの鼓動を確かめるかのような空気が会場内を包みます。
興奮した体中をゆっくりとクールダウンしていくようなMorrison、そしてReplicaのメロディー。
深い海の中をどこまでも泳ぎ続けるかのような癒しの空間へと変わっていきました。
そのまま深海へとスーッと吸い込まれるような感覚。
Pendulumの曲が持つ広大な世界観によって深い闇の中へと誘導されていきます。
暗いけれど安心するような、まるで母親の胎内にいるような心地良さが鮮明に残っています。
心地良い目覚めからクライマックスへ
Tempestが流れ始めて、深い眠りから引き戻されていきます。
最後は希望に満ちあふれたBoarderlandのイントロで会場内の熱気は最高潮になりました。
熱気が冷めやまぬアンコールの嵐
最後の曲が流れ終わってもアンコールの嵐は止まりません。
2018年7月に発売されたニューアルバムSonatine。
そこに収録されている美しいギターイントロで始まるOrangeが披露されました。
懐かしくも切ない不器用な恋の葛藤を描いた曲。
ラストにふさわしい曲に優しく包み込まれるような雰囲気でライブは幕を閉じました。
メンバーによるMCでも3人の自然体な姿が印象的でした。
今回のライブではメンバーとファンが一緒に作った心地良い空気感。
メンバーが楽曲の価値観を観客に押し付けず、今この瞬間を楽しむこと。
ファン一人一人の気持ちを大切にしているバンドなんだとあらためて感じました。
何気なく口ずさめる心地良いリズム
今回のライブを通じて多くの人が感じたこと。
【D.A.N.】の魅力は何と言っても「何気なく口ずさめる心地良いリズム」なのではないでしょうか。
体を揺らしながら自然と口をついて出てくるリズム。
特に今回の"DELTA"ツアーでは、それがとても心地良かったのを覚えています。
【D.A.N.】のメンバーが会場の空気や温度を包み込むように音楽を奏でていく。
そんな彼らの魅力によって、一気に夢中になった人も多いはずです。