飛んでみたい…イスタンブールまで
『飛んでイスタンブール』に行くためにまずは基礎情報から始めます。
イスタンブールはよく耳にするトルコの都市ですが、首都ではありません。
日本からの飛行時間はやや長め
イスタンブールはトルコ最大の都市であり、経済・文化・歴史の中心地。ボスポラス海峡を挟んで大陸間に跨った都市である。市域は東のアジア側と西のヨーロッパ側両方に拡がり、西側の市域は金角湾で南北に分かれる。2大陸にまたがる大都市であり、アジアの最も西にある都市でもある。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/イスタンブール
1つの街にアジアとヨーロッパがあるなんて、テーマパークのような街ですね。
日本からの飛行時間は約12時間半。アジア大陸最西端までの距離を感じさせる時間です。
アジアとヨーロッパが融合した街は「エキゾチック・異国情緒」という形容そのまま。
楽曲タイトルに使われるのも理解できます。
ちなみにトルコの首都はアンカラ。こちらはケバブの匂いを思い浮かべますね。
庄野真代さんにはイスタンブールが似合います
『飛んでイスタンブール』の楽曲背景にも触れておきます。
歌のイメージそのままに不思議な出来事があったようです。
「飛んでイスタンブール」は、庄野真代の5枚目のシングルとして1978年4月1日に発売。 元々は筒美京平が野口五郎のために作った曲。お蔵入りの後メロディーに“イスタンブール”の語呂合わせを駆使した歌詞を付けさらにギリシャの民族楽器を使用、全体をエキゾチックな雰囲気の楽曲に仕上げる。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/飛んでイスタンブール
庄野真代さんといえば『飛んでイスタンブール』と即答できる代表曲。
当初は野口五郎さんのために作られた曲だったという不思議な経緯を持っています。
曲だけでストックされて歌詞は後付けです。
編曲の合わせ技でイスタンブールのイメージに持っていくプロの仕事はさすがですね。
プロ作詞家の手によるエキゾチック感も考察したいと思います。
お待たせしました。『飛んでイスタンブール』歌詞の世界に飛んでいきましょう。
恋をひねって捨てました
作詞を担当したちあき哲也さんはポップスから演歌系まで幅広く活躍しました。
メロディーはポップスなのに時代を反映した歌謡曲的なニュアンスが入るのが魅力です。
『飛んでイスタンブール』の中の男子と女子の恋。駆け引きの手腕を見てみましょう。
置いていったものは「ゴミ」
いつか忘れていった こんなジタンの空箱(からばこ)
ひねり捨てるだけで あきらめきれるひと
出典: 飛んでイスタンブール/作詞:ちあき哲也 作曲:筒美京平
まず基礎情報として知っておいてほしいのが「ジタン」。
これは人名ではありません、フランスのたばこの銘柄です。
吸い終わって空っぽになったタバコの箱から『飛んでイスタンブール』は始まります。
何もはいっていない箱が放置されたのは昨日今日ではありません。
自分には記憶も残っていない過去のこと。それがいつだったのかも分からない。
部屋の隅から出てきたタバコの箱。かすかに香りだけは残っていることをイメージさせます。
見つけてしまった空き箱をまずは絞るようにひねります。そして捨てたのです。
ひねって捨てれば忘れられる恋。ゴミ箱に落ちる音がため息でフェイドアウトしました。
誰にでも優しい人だった
そうよ みんなと同じ ただのものめずらしさで
あの日しゃれたグラス 目の前にすべらせて
くれただけ…
出典: 飛んでイスタンブール/作詞:ちあき哲也 作曲:筒美京平