きりないないからええよもう
人とはおろかなり
忘れたら悲しいな、いや、いやも好きのうちよ
忘れないでくれよ
出典: 盛者必衰の理、お断り/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
「平家物語」の冒頭を覚えていますか?
「祇園精舎の鐘の声」から始まる物語で、平家一族の栄枯盛衰を描いたお話です。
古典の授業で覚えたという人も多いのではないでしょうか。
そんな「平家物語」の冒頭を、KANA-BOONは「人はおろか」と表現しています。
「平家物語」の冒頭といえば、どんなに栄えたものでもいつかは滅びるという意味だったはずです。
そこから「人はおろか」で「忘れてしまう」と表現するのはすごいですね。
しかし忘れられることは悲しいことだから、「忘れてほしくない、好きならね」ということを伝えてきているようです。
覚えていることは…
こんなことは覚えているのになぁ
あっちいってそっちいってこっちにはこないのね
仕方ないか
出典: 盛者必衰の理、お断り/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
落語「寿限無」をご存知ですか?
「寿限無寿限無五劫の擦り切れ…」とやたら長い文章を覚えたことがある方もいるのでは?
「覚えきれない!」とさじを投げた方もいるかもしれません。
落語「寿限無」はお坊さんに縁起のいい名前を付けてもらったらやたらと長くなってしまった子供の話なんですね。
最後が切ないことで知られているんですが、「平家物語」と違って古典に出てくることはまずありません。
覚えていたら「すごいね!」といわれますが、その程度なんです。
つまりこのな覚えていても勉強の役に立たないことは覚えている、悪く言えばどうでもいいことは覚えているということを、ため息をつきながら感じているのでしょう。
そしていろんな方向に心移りして、結局こちらには来ないのです。
それを仕方ないかと、あきらめてしまっているようです。
いつか花が枯れるように
いつかは心も変わってしまうよ
綺麗な花も枯れてしまうのです
得た幸福も得た愛も、いつかは終わってしまうけれど
出典: 盛者必衰の理、お断り/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
なんだか突然悲しい話になってきましたね。
花が枯れていくように、幸せや愛を得たとしても、いつかはなくなってしまうということでしょうか。
しかし花が枯れてしまうということから、少しずつ形を崩していくのかもしれません。
忘れてほしくない?
忘れたら悲しいや、嫌、メロディが消えてく
君のこと僕のこと忘れたら悲しいや
メロディが思い出せなくて
忘れたら、悲しいな
出典: 盛者必衰の理、お断り/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
「盛者必衰の理、お断り」っていったいどういう意味が込められているんだろうと、今までの歌詞を見ていくと思うかもしれません。
ですが本当に伝えたいことは、この最後に隠されているんですね。
忘れることは悲しいことだから、一緒に過ごした日々が、メロディのように流れていた日々が忘れられるのは悲しいことだから。
だから忘れてほしくないのではないでしょうか。
そう考えると、ちょっと切ないですね。
美女が出演!?MVに注目
お寺の境内から始まるストーリー
「盛者必衰の理、お断り」はお寺の境内の掃除に木魚をたたく音がリズムとなって始まります。
4人のメンバーが精進料理を食べ始めると同時に歌が流れてきますが、ボーカルの谷口さん以外が食べるのみです。
食事が終わると住職(?)と一緒に4人が修行に励みますが、振り付けも同時に入ってきます。
一見厳しそうなお寺のイメージとは異なり、鐘に顔を隠してギターを演奏したりとなかなか楽しそうです。
そして訪れた檀家さんの家で、例の美女が登場します!その正体は後程…。
谷口さんは美女の顔を見てひとめぼれしたようです。
髪を耳にかけるしぐさと同時に光る薬指の指輪、何とか見ないようにしていますが、そこにも障子に穴をあけたり、ヤカンの水で滝行もどきをしたり愉快な演出が入ります。
妄想の世界では美女がミラーボールに照らされて、谷口さんの周りをうろついたり、蚊にさされた腕を住職が気にしたりしています。
そんな谷口さんを中心とした日常風景が流れていきますが、美女が男性と子供と一緒に歩いているところを目にしてしまいます。
サビでは本堂の前でバンド演奏が繰り広げられます。
お寺はもともと民衆のために開かれたところといわれていますから、こうした演出もありですね。
谷口さんのほうへ向かってくる美女、谷口さんはいったいどうするのか!?
最後のほんわかする一コマにも注目です。