情熱的なダンスミュージック
心惹かれているのは、誰?
静かにリズムを刻みながら、何かがじわじわと近づいてくるようなイントロ。
ドッドッドッと心臓を高鳴らせるような音とともに、歌が始まります。
Now that I have captured your attention
I wanna steal you for a rhythm intervention
出典: Slow Down/作詞Lindy Robbins,Julia Michaels,Niles Hollowell-Dhar,David Kuncio,Freddy Wexler 作曲The Cataracs,David Kuncio
「今、あなたの目を引き付けたいの」
「リズムに合わせてあなたの心を盗みたい」
なんとも情熱的でストレートな歌詞ですね。
そしてちょっぴり打算的にも聞こえるでしょうか。
心をノックしてくるダンスミュージックのリズムについ誘惑されてしまいそうです。
続くこのフレーズが、主人公が狙っている「あなた」を端的に表す言葉。
そして今回の考察のテーマです。
さあ、準備はできてる!
Mr.TSA I’m ready for inspection
出典: Slow Down/作詞Lindy Robbins,Julia Michaels,Niles Hollowell-Dhar,David Kuncio,Freddy Wexler 作曲The Cataracs,David Kuncio
「inspection」とは「精査」などの意味があります。
つまりこのフレーズを直訳するこうなります。
「Mr.TSA、私は詳しく調べられる準備ができている」
さて、この主人公の心をとらえて離さない“Mr.TSA”とはどんな人物なのでしょう。
本来の”TSA”は…
アメリカの安全を守る、大事な仕事
「TSA」は「Transportation Security Administration」の略称です。
和訳すると「アメリカ合衆国運輸保安庁」になります。
簡単に言うと、アメリカ国内の公共交通機関の安全性を保つことを任務とした組織です。
2001年のアメリカ同時多発テロに際して編成されました。
文章だと難しく思えますが、要は飛行機などに持ち込まれる荷物のチェックを行う組織です。
アメリカでは各々の航空会社ではなく、TSAが一括して荷物検査を行っているんですね。
ちなみにInstagramに公式アカウントも持っています。
そこには検査で押収された拳銃や麻薬などの危険物の写真がたくさんアップされています。
彼らが行っているのは、日本の航空会社と同じくX線を通した映像を見て行うチェック。
しかしそれだけではなく荷物を開封して中身を直接確かめてもいます。
対象となる荷物はランダムに抽出されたもの。
そのためアメリカ合衆国領土では搭乗手続きの際、荷物は施錠しないことが求められています。
(ただしTSAロックという機能が装備された荷物は別です)
(参照:Wikipedia『運輸保安庁』 『TSAロック』)
歌詞の中では?
さて、それを踏まえてもう一度先ほどの歌詞を見てみましょう。
「Mr.TSA、検査の準備はできてる」。
つまり身も心も開いてMr.TSAに見てもらってもいいということです。
相手に自分の全てを開示したいということでしょう。
曲の始まりにあるこのフレーズは、さらりと歌われています。
けれど、主人公の"本気よ"という強い気持ちが伝わってくるたとえですね。
”Mr.TSA"に夢中!
恋に落ちた瞬間、世界が変わる
それでは、このMr.TSAとは?
つまり主人公が気持ちを向けた相手はいったい誰なのでしょうか?
ヒントはその先の歌詞に隠されています。
曲が盛り上がっていく中で最初のサビに差し掛かると、高まっていたリズムが一転します。
ゆっくりじっくりとしたものになるのです。
そこで歌われる詞がこちらです。
I Just wanna feel your body right next to mine
出典: Slow Down/作詞Lindy Robbins,Julia Michaels,Niles Hollowell-Dhar,David Kuncio,Freddy Wexler 作曲The Cataracs,David Kuncio