この曲の収録アルバムのタイトルが出てきました。

「パンパカパーン」など、式典や競技会などの行事で演奏される短い曲

そして興奮状態というわけです。

まず、この曲そのものがアルバムの始まりを知らせる役割を担っていることがわかります。

それから歌詞の世界に目を向けると、夕日、時報、星が連続する光景です。

夕暮れから星が出る頃の時間帯こそ、まるで式典かのような特別な行事

しかも時報という音まで加わる為、興奮状態になるという話でしょう。

子どもはそろそろ家に帰らなければいけない時間ですが、その頃が最も盛り上がるわけです。

日が沈み、星が瞬く頃に音が重なるだけで一大イベント

友だちとも離れがたく、名残惜しい気分に満たされているわけですね。

2番の歌詞を見よう!

タイトルの意味

andymori【1984】歌詞の意味を徹底考察!タイトルは何を示すの?赤く染まった記憶を紐解く!の画像

1984 花に囲まれて生まれた

出典: 1984/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平

ここでタイトルが登場します。

その意味は小山田壮平さんの誕生年

ジョージ・オーウェルのディストピア小説「1984年」や村上春樹さんの小説「1Q84」のことではないようです。

日本ではバブル期目前の年。

「花」という言葉が出てきますが、小山田壮平さんは6月17日生まれなので、桜が咲く季節ではありません。

実家が花屋さんでもなさそうです。

まわりの人々に祝福される中で誕生したという意味はあるでしょう。

少し踏み込んで解釈すると、まわりの大人たちが1960年代のフラワーチルドレン世代だったのかもしれません。

学んだこと

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疑うことばかり覚えたのは
戦争映画の見すぎか

出典: 1984/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平

ベトナム戦争の反対運動を展開した、ラブ&ピースのフラワーチルドレン。

その子ども世代なので、カウンターカルチャー的な考え方をまわりの大人たちから学んだという意味でしょうか。

もちろん具体的にそう表現されているわけではありませんので、あくまでも深読みした場合の解釈です。

ただ、ロックの歴史を紐解くと、上記のような意味にも受け取れるキーワードが並んでいます。

世代的な生きる意味

音楽観と人生観

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親たちが追い掛けた白人たちが
ロックスターを追い掛けた
か弱い僕もきっと
その後に続いたんだ

出典: 1984/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平

サブスクリプションやYouTubeという便利なツールもあるので、世代の垣根を越えて音楽を聴くことも可能です。

例えばクイーンのリバイバルヒットはリアルタイムだけでなく新規のファンも巻き込んだ結果といえるでしょう。

このように時代を自由にまたぐ音楽もありますが、家族が聴く音楽に直接的な影響を受けることもあるわけです。

とくにお父さんお母さんが好きな音楽を聴いて育つと、子どもはその世代の音楽を引き継ぐことになります。

小山田壮平さんのように1980年代半ば生まれだと、お父さんお母さんはちょうど日本でもロック全盛期

子ども時代を回想することで、彼自身の世代ならではの音楽観を伝えようとしているのではないでしょうか。

小山田壮平さんはミュージシャンなので音楽を引き合いに出しています。

そこには人生観も含まれるでしょう。

親世代から引き継いだことを糧に、子ども世代が新たな時代を築いていくという決意が感じられます。

世界につながる

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1984 裸で泣いてた君は
どこか遠い国の街角で
同じように泣いている
誰かに抱かれながら

出典: 1984/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平

これまでは小山田壮平さんが自分の子ども時代を回想する流れでしたが、ラストで一気に海外へ視点が移ります。

自分自身と他者をまったく別とは考えていないイメージです。

国は違っても、世界中の誰もが赤ちゃんとして過ごした時期があり、まわりの大人に育てられたはず。

そんなメッセージが伝わってきます。

バンド名の由来の一端が写真家、藤原新也さんにあることはファンの方ならご存知でしょう。

その点を踏まえると輪廻転生といった死生観も垣間見えるかもしれません。

子ども時代の赤く染まった記憶を振り返ることで、世代ならではの音楽観、人生観へとつながりました。

最終的に世界中の人とつながるような広がりが表現されたところが、この曲の歌詞の醍醐味ではないでしょうか。

最後に