ビートルズ【アイ・フィール・ファイン】歌詞を和訳して解説!これって両想いかな?彼女の言葉にメロメロ!の画像

アイ・フィール・ファイン」のサウンド面で次に気になるのは巧みなギター・リフです

ジョンが創ったこのギター・リフを1曲丸ごと延々と繰り返します。

当時の日本のギター・マニアの皆さんは指が短いという身体的なギャップのためコピーに苦心しました。

イギリス人のジョンとジョージのふたりにとってはそれほど苦ではなかったようですが。

しかし歌いながらこのギター・リフを延々と繰り返すのはやはり至難です。

ビートルズは本質的にライブバンドでした

西ドイツのクラブで毎晩演奏してきましたから演奏力が抜群なのです。

当時のチャンネル数が少ない録音であれだけのサウンドを奏でられたのも鍛えられた演奏力あってのもの

演奏力ではジョンとジョージのふたりのギタリストはあまり大きく取り上げられることがないです。

しかし当時の水準を考えたらやはり腕前は確か。

ベースのポールは「リード・ベース」という概念がこの人のためにあるほどの達者な演奏家です。

ドラムのリンゴも歌もののドラマーとしての評価が非常に高い人であります。

アイ・フィール・ファイン」のサウンドは初期のビートルズの楽曲としてはとてもプログレッシブです

当時のビートルズが如何に先進的だったかを再確認できる曲であります。

1曲丸々ギター・リフで伴奏に替えるというジョン・レノンの発想も非常にユニークです

ダイヤモンドはロックのアイテム

「キャント・バイ・ミー・ラヴ」と似ている?

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I'm so glad that she's my little girl
She's so glad she's telling all the world
That her baby buys her things you know
He buys her diamond rings you know
She said so
She's in love with me and I feel fine Un…

出典: アイ・フィール・ファイン/作詞:Lennon=McCartney 作曲:Lennon=McCartney

主人公ののろけはまだまだ続きます。

歌詞和訳して解説いたしましょう。

「僕はとても嬉しいよ

あの娘が僕の可愛いカノジョだってこと

あの娘もとても喜んでいるよ

あの娘は世界中にそういうんだ

あの娘には何でも買ってあげるよ

分かるだろ

僕があの娘にダイヤモンド・リングを買ってあげるって

あの娘はそういったんだ

あの娘は僕に恋しているよ

気分がいいね」

彼女に何でも買ってあげるというシチュエーションはデジャヴュのような感じがあったかもしれません。

ポール・マッカートニーが書いた「キャント・バイ・ミー・ラヴ」に似ているのです。

「キャント・バイ・ミー・ラヴ」でもダイヤモンドの指輪を買ってあげるというフレーズがあります

ただし、後半のラインでは愛はお金では買えないから指輪なんて要らないといってくれと彼女に願う。

そんな実直なポールらしいオチが付きます。

アイ・フィール・ファイン」はそんな実直さなどお構いなしです。

ジョン・レノンとポール・マッカートニーの作詞の傾向の違いがくっきりしています

当時のロックンロールの歌詞ではダイヤモンドの指輪は必須アイテムでした。

ロック黎明期は単純なラブソングが多かったせいでしょう。

宝石の指輪は愛の証明

いつまでもふたり仲良く

ビートルズ【アイ・フィール・ファイン】歌詞を和訳して解説!これって両想いかな?彼女の言葉にメロメロ!の画像

I'm so glad that she's my little girl
She's so glad she's telling all the world
That her baby buys her things you know
He buys her diamond rings you know
She said so
She's in love with me and I feel fine
She's in love with me and I feel fine Un…

出典: アイ・フィール・ファイン/作詞:Lennon=McCartney 作曲:Lennon=McCartney

リフレインの歌詞を一部省略いたします。

申し訳ございません。

クライマックスの歌詞です

こちらもリフレインになります。

繰り返しになりますが和訳を添えましょう。

「僕はとても嬉しいよ

あの娘が僕の可愛いカノジョだってこと

あの娘もとても喜んでいるよ

あの娘は世界中にそういうんだ

あの娘には何でも買ってあげるよ

分かるだろ

僕があの娘にダイヤモンド・リングを買ってあげるって

あの娘はそういったんだ

あの娘は僕に恋しているよ

気分がいいね

あの娘は僕に恋しているのさ

気分がいいよ」

いつの時代も宝石や貴金属は愛を物質的に証拠立てるものです

主人公も彼女もまだ年若く、この先で彼、彼女の愛がどうなるかは分かりません。

将来、買ってあげたダイヤモンドの指輪が不要品にならないことを祈るばかりです

「アイ・フィール・ファイン」も大ヒット

初期のビートルズも先進的

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「アイ・フィール・ファイン」はとにかくご機嫌で仕方がないというメッセージしか発しません。

本当にそれだけでいいのかなとはジョン・レノンも想っていたかもしれないです。

というのも、ジョン・レノンは「アイ・フィール・ファイン」は不発に終わらないか心配します

1964年はビートルズの年

しかし、一方でジョン・レノンは人気が一過性ではないか随分と気を揉んでいた形跡があるのです

もうそろそろ飽きられるのではないかという不安がジョンを苦しませました。

ところがジョンの心配はまったくの杞憂に終わります。

それどころか「アイ・フィール・ファイン」の成功を経て、ビートルズの人気は盤石になりました。

この頃はライブツアーを並行しています。

まだまだアメリカ全土から「ビートルズ旋風」は去っていません

そしてバンド解散までビートルズはロック界の中心に居続けました

音楽的な挑戦をし続けて変化し続けたことがビートルズを特別にしたのでしょう。

現代から振り返ると時期によって曲の傾向が色分けできてリスナーはそれぞれの好みの時代を愛します。

近年ではアルバム「ラバー・ソウル」「リボルバー」の評価が高いようです。

「アイ・フィール・ファイン」はまだまだ初期の作品。

しかし上述したフィードバック・ギターなど録音の現場で色々なアイディアを試すのはこの頃からです

1964年の青春恋愛ソングNo.1

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「アイ・フィール・ファイン」の魅力はタイトル通りに気分上々でアゲアゲな歌詞

そして様々なサウンド面での先鋭的な造りと演奏の素晴らしさの融合です

この時期にこの後のビートルズの活動の礎となる様々な試行錯誤が行われてきました。

後年、ビートルズはついにライブ活動を休止します。

そしてレコーディングの現場だけで綿密に曲を創り上げてゆくアーティストへと変化しました。

押しも押されもせぬ不動の人気を保ち、その後のロックシーンを塗り替えます。

また、歌詞も「アイ・フィール・ファイン」の頃とは較べられないほどに詩的になってゆくのです。

それでも初期のビートルズの歌詞の素朴な面白さ、可愛らしさに改めて注目したいもの

少し前まで不良少年だった彼らがユニークなラブソングを連発して書いてゆくこと。

「アイ・フィール・ファイン」でいえば、語り手の「I」、聞き手の「You」、麗しの「She」

三者の関係性の中にリスナーの立場、つまり「You」を宛てがいます

リスナーは主人公と彼女の熱い恋愛の聞き手として巻き込まれるのです。

きちんとドラマの話法を用いて書いた歌詞であります。

リスナーは主人公と彼女の永遠の幸せを祈りたくなるのです。

ダイヤモンドの指輪の輝きに負けない永遠性に訴える愛。

青春恋愛ソングの決定版でしょう

若々しいビートルズの覇気が伝わる名曲が「アイ・フィール・ファイン」です。

これからも愛してゆきましょう。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

OTOKAKEで振り返るビートルズの軌跡