1番目

【お祭りマンボ/美空ひばり】ノリノリなのに哀愁漂う理由とは?歌詞の意味を解説!カバー&リメイク曲多数の画像

私のとなりのおじさんは
神田の生まれで チャキチャキ江戸っ子
お祭りさわぎが大好きで
ねじりはちまき そろいのゆかた
雨が降ろうが ヤリが降ろうが
朝から晩まで おみこしかついで
ワッショイワッショイ
ワッショイワッショイ
景気をつけろ 塩まいておくれ
ワッショイワッショイ
ワッショイワッショイ
ソーレ ソレソレ お祭りだ

出典: お祭りマンボ/作詞:原六朗 作曲:原六朗

神田」は東京の下町です。

古本屋街があることでも有名ですね。

その神田が舞台。

ちょうどお祭りの時期です。

神田の祭りといえば神田祭のことでしょうか?

今でも続いている有名な祭りです。

ここでは主人公の隣のおじさんの人物像が描かれます。

おじさんは「江戸っ子」。

宵越しの金は持たない、という言葉がそれを形容するときに使うように、江戸っ子は潔(いさぎよ)いです。

喧嘩っ早くて頑固屋

着物の裏地にダンディズムを見るような、そんな「」なところが江戸っ子です。

景気をつけろ」という言葉は、現在あまり使われなくなっていると思います。

「景気が良い・悪い」などと使うのが一般的。

明治、大正、昭和時代にはよく使われていた言い回しです。

音の響きも江戸っ子が喋ると似合うような、歯切れのよい言葉ですね!!

2番目

おじさんおじさん大変だ
どこかで半鐘が なっている
火事は近いよ スリバンだ
何をいっても ワッショイショイ
何をきいても ワッショイショイ
ワッショイワッショイ
ワッショイワッショイ
ソーレ ソレソレ お祭りだ

出典: お祭りマンボ/作詞:原六朗 作曲:原六朗

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江戸っ子の「おじさん」は神輿を担ぐのに夢中で、自宅が火事になっていることも分かりません(笑)

半鐘(はんしょう)」とは、火災警報用として火の見櫓に取り付ける鐘の事。

この曲の舞台はいったいいつのころなのでしょうか?

この曲が発表された1952年、それとももっと昔。

江戸時代や明治時代かもしれませんね。

次に出てくる「スリバン」というのは、半鐘の打ち方らしいです。

鐘の打ち方で火事の規模が分かるというシステムだったようですね。

3番目

そのまた隣の おばさんは
浅草育ちで チョッピリ美人で
お祭りさわぎが 大好きで
意気な素足に しぼりのゆかた
雨が降ろうが ヤリが降ろうが
朝から晩まで おかぐら見物
ピーヒャラピーヒャラ
テンツクテンツク
おかめと鬼が
ハンニャとヒョットコが
ピーヒャラピーヒャラ
テンツクテンツク
ソーレ ソレソレ お祭りだ

出典: お祭りマンボ/作詞:原六朗 作曲:原六朗

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ここであらたな登場人物が現れます。

「おじさん」の隣に住んでいる「おばさん」。

主人公からは「そのまた隣」に住んでいる「おばさん」になりますね(笑)

「そのまた」というところにユーモアがあって良いです。

このおばさんは浅草育ち。

浅草にも「三社祭」という有名な祭りがありますね。

「お祭りさわぎが大好き」なのはおじさんと一緒ですね!!

「お祭り」だけではなく、「お祭りさわぎ」も大好きなんです。

この辺りのレトリックが面白いですね~。

「しぼり」というのは着物の仕立てのことです。

「プリーツスカート」というのは、スカートに襞がある仕立てのスカートをいいます。

ここでいう「しぼりのゆかた」とは、袖に襞がある浴衣、ということになります。

「おかぐら」というのは「神楽」ですね。

日本の親祭です。

神楽にも、地域によっていろいろあるみたいで、なかには曲芸師が芸をする神楽もあるんだとか。

「おかめと鬼」というのは、祭りの出し物のキャラクター。

お面を被って踊ります。

ピーヒャラ」や「テンツク」という擬音語擬態語が効果的に使われていますね。

また、この曲のユーモアをより一層引き立てるのに役立っています。

4番目

おばさんおばさん 大変だ
おうちは留守だよ からっぽだ
こっそり空巣が ねらってる
何をいっても ピーヒャラヒャ
何をきいても テンツクツ
ピーヒャラピーヒャラ
テンツクテンツク
ソーレ ソレソレ お祭りだ

出典: お祭りマンボ/作詞:原六朗 作曲:原六朗

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おばさんの家に空き巣が入っているのに「お祭り騒ぎが大好きな」おばさんは素知らぬ顔(笑)

盛り上がって、ソレどころではありません(笑)

祭りの気分というのはランナーズハイに似ています。

ランナーズハイとは、走っている状態で徐々に恍惚状態となり、アドレナリンが分泌される状態のこと。

このおじさん、おばさん両人は、ランナーズハイならぬ「カーニバルハイ」に陥っているのかもしれません(笑)

5番目

お祭りすんで 日が暮れて
つめたい風の 吹く夜は
家を焼かれた おじさんと
ヘソクリとられた おばさんの
ほんにせつない ためいきばかり
いくら泣いても かえらない
いくら泣いても あとの祭りよ?

出典: お祭りマンボ/作詞:原六朗 作曲:原六朗

サザンオールスターズ桑田佳祐名曲に『祭りのあと』という曲があります。

この曲は、祭りのあとの、なんだか寂しい心持を歌った曲です。

この状態、なんともいえない郷愁が襲ってきて、やりきれない気持ちになりますよね~。

あの、おじさんとおばさんもそれは同じだと思います。

ところが二人は祭りに夢中になるあまり、大事な物を失ってしまいました...。

おじさんの家は火事になり、おばさんの家は空き巣に入られ...。

最後の「あとの祭りよ?」という歌詞が、痛烈に皮肉めいていますね(笑)

ここのポイントは、人間には危害がないということ。

それによって、悲壮感はあまりありません。

さしずめ「江戸っ子なら平気でぇ!」というトコロでしょうか?

カバー&リメイク曲多数!!